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□扉を開けるまで(Nさん編)
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今日は5人でのレギュラー番組の収録

俺はドラマ撮影を抜けてからだから

楽屋に入るのが一番遅かった。


コンコン


ノックをすると返事がない。

いつもなら誰かが適当に

返事を返してくれるのだが

今日は返事が無かった。







まだ皆、来て無いのかな?




楽屋に入ると、ポツンと

大野さんだけがソファで

横になって寝ていた。


近付いて行くと

本当に寝ているようで

スヤスヤと寝息を立てていた。



あいかわらず



可愛い寝顔だこと・・・。



俺はそっと大野さんの

髪の毛に触れた。


O:ん・・・・。


すこし眉間に皺を寄せて

身じろいだ。


N:・・・・・。


O:・・・ん?か・・ず?


俺に気付いたのか

薄く眼を開けた。


N:・・・ごめん、起こしたね・・。


頭を撫でる手はそのままで

ソファの手すりに腰掛ける。


N:みんなは?


O:ん?あ・・・なんか、セットの準備に時間が掛るって・・・。


大野さんが俺の手首を捕まえて起き上がった。


O:たぶん・・・、飯食いに行ってる。


N:そう・・・。


掴まれた手首をクイっと

引っ張られて

俺は大野さんの上に倒れ込んだ。


N:ちょっと・・・危ないでしょ・・・。


O:んふふ・・・、いいじゃん。




そんなさ




ふにゃってした笑顔で




抱き寄せないでくれる?




俺、困っちゃうから。




ちゅっ ちゅっ


大野さんが躊躇なく

俺にキスする。


誰も居ないのを良い事に

遠慮なく顔中にキスされる。


N:・・・ふふ、・・駄目だって・・・。


O:いいじゃん、誰も見てないし。


2人きりの楽屋は

昨日の余韻も手伝ってか

非常に甘ったるくなっていた。


N:あなたは、ご飯食べに行かなくていいの?


O:ん、いい。


肩には大野さんの手が回されていて

がっちり捕まえられた状態の俺。




なんだかなぁ・・・。




ほんとに参る。




こんな事で



俺は特別だって



あなたに愛されてるって



実感してしまう俺。




ちょっと痛すぎない?





しばらく2人で話していると

楽屋の外から声が聞こえた。



?:しー!ちょっと静かに!


?:え?なに?


?:まだ入れないって・・・。


?:翔君?どうゆう事?


何だかドアの向こうでコソコソ話声が聞こえる。


N:・・・・・。


O:?みんな、帰ってきたのかな?


俺は立ち上がってドアの側まで歩く。


?:何?何?中どうなってんの?


?:ちょ!!駄目だって!!


?:いいかげん開けろや。



うん。



何となく外の様子が分かった。


N:はぁ・・・。


俺は溜息をついて

ドアを開けた。



S:おわっ!!


A:あっ!!


M:おっと!


翔さんを先頭にドアに

寄りかかってた3人は

よろめいて入ってきた。


N:何やってんすか?


S:あ、ニノ。


A:ニノちゃん!お疲れー!


M:お疲れ・・・。


相葉さんと松潤は普通に入ってきたけど

翔さんが気まずそうな顔をした。


S:お・おつかれ・・・。


N:翔さん・・・、そんなに気を使わなくてもいいですから。


S:あ、バレた?


俺と大野さんの事情を知ってる翔さんは

多分、俺達が忙しくて会えてないって

思ってるみたいで

気を使ってくれたようだ。


S:2人ともスケジュール凄いしさ・・・。


N:いつもの事ですから・・・、ふふ。


翔さんの優しさに思わず含み笑いしてしまう。


大野さんがこっちを見て、グッと親指を立てた。


良い仕事しました的な?


S:あはは、智君は誉めてくれてるみたい。


N:んふふ、馬鹿なんだから。



セットの準備も整ったらしく

みんな衣装に着替えて

スタジオに向かった。


O:和?時間だぞ。行くよ・・・。


N:うん、先行ってて。ちょっと目の下のクマだけ隠してもらうから。


さすがにドラマ撮影中は疲労が顔にも出て来る。


O:・・・・、無理すんなよ・・・。


大野さんの眉が困ったように下がった。


N:ふふ、大丈夫だから。ほら、行ってて。




あなたが俺を心配してくれる。



それだけで嬉しくなる。




その心配した顔とか




困った顔とか。




堪らなく俺を




うっとりさせるんだ。




ふふ。




今から愛を込めて




俺への扉の鍵




いや、俺ん家の鍵だけど




どっかに隠すから




早く見つけてね。




あなたが開けて入ってくるの




楽しみに




待ってるよ。
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