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□あの子が教えてくれた事(Nさん編)
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晩飯とビールを用意して。
ラグに座って一息つくと。
オニが、俺の膝の上に登ってきた。
N:どうした?オニ?
ジーと何かを見てる。
あ。
それね。
オニは晩飯の焼き魚を見てた。
N:欲しいの?
にゃー。
N:ふふ。
俺はほぐして、小さくした魚を
掌にのせて。
オニの前にもっていった。
俺の手に、爪をたてて押さえつけ
魚を食べる、オニ。
しっかりと押さえつけてるのが
めちゃくちゃ可愛い。
魚が無くなったのか
俺の手をクンクン嗅いで
ペロペロと舐め出した。
N:ふふっ、オニっ、くすぐったいから。
ざらざらした舌で、一生懸命に舐める。
急に大野さんが立ちあがって
俺の隣まで来た。
N:ん?何?
不思議に思って、見上げると。
オニを俺の膝からとりあげた。
O:オニ!さっき言っただろ?和に手出だしたら駄目!!
はぁ?
さっき言ったって、なんなのよ?
O:和は俺のなの!!
オニを目の前にもってきて。
少し睨むように、訴える大野さん。
あなた。
猫相手に。
何、言ってんのよ?
思わず苦笑する。
大野さんの、俺に対する
独占欲みたいなやつ?
ちょっと嬉しいけど
ちょっとずれてる。
俺を巡って。
対峙する。
大野さんと、オニの図。
面白すぎる。
N:あなた、馬鹿だね。
ヤキモチなんて
やくのね?あなた。
オニが相手でも。
嫉妬したりするのね?
O:馬鹿じゃねぇ。本気で言ってる。
真面目な顔のあなた。
俺の事
大好きみたいだ。
ふふ。
もう少し。
オニに居てもらいましょうかね。
俺は大野さんから、オニを奪い返した。