Main

□あの子が教えてくれた事(Oさん編)
1ページ/9ページ

Said:O


ずっと 近くにいるのに


ずっと 見ていたのに


どっかで 見逃してんだな


気付かなかった お前の表情に


ちょっと悔しくなる





友人から、猫を預かって欲しいって


頼まれた。


海外旅行に行くらしく


3週間位とお願いされた。


もともと、猫が好きな俺


気軽に引き受けた。


小さめのゲージに入れられて


家にやってきたその子。


友人:まだ子供だし割とおとなしいから、大丈夫だと思うけど・・・。


O:おう、分かった。


友人:これ、缶詰とかシートとか、全部持ってきたから。


O:あ、これね。分かった。任せとけ。


友人:じゃあ、よろしくな。


O:気をつけてな〜。




友人が出発してしまって


預かったゲージをそっと床に置いた。


何の音もしないそれを

ちょっと、覗いてみる。


ゲージの奥にいるのか


ちょっと、見えずらくて


開けて、出て来るのを待ってみる。







出てこないな?



ゲージが空いても、飛び出てこない。



あ。



おとなしいって、言ってたな。



友人が、そう言ってたのを思い出して


俺はゲージの中に、手を突っ込んで


そっと捕まえた。


初めて見たその子は


真っ白のふわふわで


ちっこっくて


まん丸の茶色の目が


ウルウルしてた。



あれ?
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ