Main
□あの子が教えてくれた事(Oさん編)
9ページ/9ページ
和が作ってくれた夕飯を
美味しく食べてると
オニが和の膝の上で
ジッと焼き魚を見てた。
気付いた和が
掌に乗せて食べさせてる。
和はオニを真剣に
観察してて
瞬きもしてない。
和は俺が作業してる時も
こうやってジッと
見てる時がある。
動く指先を見てるのか
作品を見てるのかは
分からないけど
不意にドキッとする時がある。
魚が無くなったのか
オニが和の手を舐め出した。
N:ふふっ、オニっ、くすぐったいから。
!!
おい。
駄目。
それは駄目だろ?
俺はすかさず立ちあがって
和の側に行きオニを取り上げた。
O:オニ!さっき言っただろ?和に手出だしたら駄目!!
O:和は俺のなの!!
いくら和が好きだからって
舐めんのは駄目!
俺だってそんなに
舐めてないのに!
オニとの攻防を続けていると
N:あなた、馬鹿だね。
和がクスクスと楽しそうに笑った。
あ。
その顔。
さっきと同じだ。
オニを可愛いって
撫でてた時と
同じだ。
俺が可愛いのか?
俺を好きなのか?
柔らかくて
優しい笑顔に
キューってなる。
胸が
ドキドキする。
O:馬鹿じゃねぇ。本気で言ってる。
拗ねたように口を尖らすと
更に目を細めて
俺を見つめる和。
なぁ。
うぬぼれてもいい?
お前は俺を
大好きだって。
思っててもいい?
にゃー。
鳴いたオニは和に取り上げられた。