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□痛いほどに(延長編)
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Side:O
ヴー ヴー
スマホのバイブ音に気付いて
慌てて周りを見た。
どの位この場所にいたのだろう。
時間にすれば何分かの事だと思うのに
重たい感情を巡らせたおかげで
長い時間立ち止まっているように
感じた。
薄暗い道路には
誰もいなくて
俺1人だけで。
少し足を進めて
スマホをポケットから出した。
画面を見ると
松潤からメールが来ていた。
「これ、あげる。」
短い文字の下に
張りつけてある画像。
O:あ・・・・。
楽屋のソファで眠る
和の寝顔だった。
それはいつも見る
安心しきって
子供みたいにスヤスヤ眠る
和の可愛い寝顔。
俺の大好きな顔。
O:・・・・・・。
頬が緩んだと同時に
ズキンと胸に痛みが走る。
この痛みはどっちだ?
愛しいからか?
申し訳ないからか?
立ち止まり
俺はスマホを握りしめて
座りこんだ。