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□心を裸に(Nさん編)
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撮影はすっかり終わって
用意された部屋で、着替えてると
コンコンとノックされた。
N:?・・・はい?
ガチャとドアが開き
入ってきたのは、再びまさかの大野さんだった。
N:え!?
O:・・よォ・・・。
ええ!?
俺はこの再来にかなり驚いた。
シーン
二人、立ち尽くしたまま
沈黙が続く。
大野さんは、部屋に入ってきたきり
何も言わず
俯いたままだ。
俺も中途半端に
シャツのボタンが4個目の所まで
外されたままだった。
気まずい・・・。
身動きが取れない程に
緊迫した空気が、重苦しい。
O:和・・・、あのさ・・・。
すると、沈黙を破ったのは大野さんだった。
少し低い声で、俯いたまま
O:・・・俺と・・、寝んの・・・嫌なのか・・・?
大野さんのその一言に
耳を疑った。
O:その・・・そういう関係になんの・・・嫌だったのかなって・・・。だったら、・・ごめん・・。
N:っ!!
とぎれとぎれの、小さな揺れる声は
俺の目を覚ますのに十分だった。
ここに何でいるのか?とか
もう、どうでも良かった。
最低だ。
俺。
何やってんだろ?
俺の幼稚な態度で
この人を傷つけてる。
大好きなのにさ
自分の事ばっかりで
こんなの
駄目じゃん。