小説

□策略
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コンサート終了後、汗でベタついた身体を流すため、シャワー室の扉を開く。

来月から始まるドラマの役作りの為に始めて肉体改造をした。

シャワー室の鏡に映る自分の肉体をまじまじと見つめているとがちゃりとドアの開く音が聞こえた。



鍵を閉め忘れた事に気付き、慌てて後ろを確認すると、さっきまで一緒にステージに立っていた人物が驚いた表情で口を開いた。


「涼介!?ごめん…誰も居ないかと思った…」


「うわっ……知念か…あー、俺も鍵閉め忘れたし、悪い……先に入れよ…な?」

顔を紅潮させ、もじもじと身を縮ませる人物……知念から視線を外した。

なんとなく気まずい雰囲気が流れ、俺は知念の肩を軽く叩きシャワー室を出ようと足を向けた。


だが、それは知念によって防がれた。知念が俺の腕を掴み唇を開いた。


「……誰も居ないし、一緒で良いんじゃない?」


「は?」


そんな訳で知念と一緒にシャワーを浴びる事になった。


ふと、横目で隣でシャワーを浴びる知念を見るとその身体は細く白色の肌にうっすらと筋肉が乗っており素直に綺麗だと感じた。


昔は女の子の様に愛らしかった容姿も今では男らしさが伺えた。


「涼介…どうしたの?」


知念に見とれているとばちりと視線が合ってしまい、慌てて視線を外すも目の前に知念の手が重なり視界を奪われた。


勢い良く後頭部が壁にぶつかり、ゴン、と石を床に打ち付けた様な鈍い音が響いた。


「な、…んん…ッ!?」


知念の唇が重なり、その感触を確めるかの様に何度も触れたり、離れたりを繰り返す。

徐々に唇が下り、顎から首筋にぬるりとした舌先がゆっくりと伸び、その肌に吸い付いた。

知念の指先が胸板をなぞり、二つの小さき飾りに触れた。


「ふっ…ッ…知…念…っ」


「…涼介……おっぱい大きくなったね…女の子みたい」


確かに、鍛え上げた肉体は、筋肉が付き、胸筋も盛り上ったと思う。


胸板をゆっくりと揉みながら、子供の様に目を輝かせながら硬くなった乳首を強く引っ掻いた。


「う、ぁぁ……何、ッ」

知念は指の腹でくるくると円を描く様に時間を掛けて乳首を愛撫した。




「……涼介……擦ってよ…」


荒く息を吐き出すと、知念が大きく反り上がる男根を胸板へと擦り付けた。



「はぁっ…ちょっマジかよお前……俺男……ッ」


予想もしてなかった知念の行動に身を固めてしまい、その欲情する顔をじっと見つめた。


「……駄目?」


今にも泣きそうな、哀しそうな表情で知念が唇を軽く寄せた。


「…う、駄目……じゃない…けど……お前、女の子にして貰った方が良いんじゃねーの?」


そう、俺も知念も普通に女の子が好きだ。

でも、何で今知念とこんな事をしているのか、知念が俺で欲情しているのか、考えたらキリがないが、嫌じゃない。。。




「……何言ってるの、僕は涼介だから良いんだよ?」



再度知念の唇が重なり、深い口付けを交わす。


今は、知念がいとおしく感じ、知念がしたいことをしてあげたいと、素直にそう思った。

「う、わ、…ッ…涼介!」

俺は自ら胸を寄せ、知念を包み込むと舌先で鈴口を刺激した。


パイズリなんて、女のコにしてもらった事はあるが、自分がする側になるなんて考えもしなかった。


見様見真似で、両腕をおもい切り寄せ、脈打つ肉棒を挟み込み、ゆっくりと上下に動いた。


「ん、……難しい…な、」


汗で滑り、熱を持ったそれは更に硬さを増した。

知念の亀頭からは徐々に透明な我慢汁が溢れ出し、俺の胸板を汚した。



その熱を感じ、思わず吐息が漏れる。


「……涼介、乳首…起ってるね」


クスクスと小さく笑い声を上げ、知念が脈打つ自身を尖らせびくつかせる二つの飾りに擦り付けた。


「ん、ぅっ…ちょ、ちね…」



電気が走ったみたいに身体中が痺れた。

知念が肉棒を押し当てる度に鈴口から溢れる男汁がねっとりと胸元を濡らす。

乳首を軽く指で弾かれ、軽く悲鳴を上げ床にへたり込んだ。


「ふふ、……可愛いね。おっぱい気持ち良いんだね…」

知念は細長い指を自分の唇に当て、ゆるく微笑みを浮かべた。


「ツ……違っ」


「……そうだ、もっと気持ち良くなろ?」



知念は眼を細め歪んだ笑みを浮かべると、浴室へと姿を消した。



腰が抜けて力が入らない中、脳が追い付かず軽くパニックになる。

なぜ知念はこのタイミングで俺を一人にするのか、
放心状態になりながら知念が出ていった浴室のドアを見つめた。



暫くしてドアが開く音が聞こえ、音のした方へ眼を向ける。知念が俺の視線に気付き柔らかい笑みを浮かべた。



「何?…ほっとかれて淋しくなっちゃった?」


知念の低い声に顔面が熱くなる。



「違っ……ツ」

がちゃりと鍵が閉まる音に肩が跳ね上がり、床に膝を付けたまま身を固くした。

ふと、知念が何かを手にしているのに気付き視線を落とす。


「………何それ、、」


見たことがない謎の器具に釘付けになっている俺に知念が楽しそうに笑い声を上げた。


「これ?……涼介が好きそうなやつだよ。…ニップルバイブ?ってやつ?」


知念がそれを目の前に翳して見せてきた。


おちょこ型になっている二つの吸引器具からは細長い線が繋がっていおり、そこから見えるピンク色のリモコンが小さく揺れている。

見た目は搾乳器に近い感じだが、丸みを帯びたカップの内側に無数のイボイボが設置されている。



「……てか、なんでそんな物持って………まさか、、」



今さら気付いても後の祭り。

そう、全ては知念の策略だった訳で、俺は見事にハマってしまったのだ。


「ん〜?まぁ、細かいことは気にしないで……ね?」



知念は少年の様に朗らかな表情で微笑むと、その手がゆっくりと胸元を撫で上げた。


「…ちょ、、」


乳輪の周りを指先でなぞられ、身体がびくつき肩が小さく跳ね上がった。




「涼介…君、才能あるよ…ねぇ…おっぱいだけでイってみよ?」

指先だけの刺激で柔らかかった乳頭も徐々に硬さを増していった。



「っ……ち、知念……ツ」


指先で乳頭を摘み、円を画くように刺激した。


知念は先ほどのニップルバイブを装着する準備を始めた。


胸板にそれは簡単に吸い付いた。知念がリモコンのスイッチを入れると先端のブラシが容赦なく回り、乳頭を刺激する。


「んっ…やぁ…ちょ、、、」



乳頭を左右に擦られ、触手のイボイボが乳首にまとわりつきねっとりと愛撫されもう限界だった。




「っ……知念…も、俺…」


目の前で恍惚な表情をうかべている知念に堪らず縋り付いた。



「………涼介?まだ駄目だよ…ちゃんと感じてくれないと……」


更に知念がリモコンのスイッチを最大に調節した。


「ぁぁっっ…も、イッちゃ、うからぁっ…止めッ」



強い刺激と快楽でもう限界だった。


無意識に自身の熱くたぎるペニスに手を伸ばした。


「涼介?一人で気持ち良くなるなんて酷いね」



「……知……念……」


知念は耳元で囁くと、硬くそそり勃つ肉棒を自分のモノと合わせ両手で包み込んだ。


「ッ……ぁ、ちょ、っと…」


合わせた事で直に知念の熱が伝わり心臓が跳ね上がる。


「……一緒に気持ち良くなろ?」


互いの陰茎を密着させ、刺激する。

互いの陰茎をすり合わせたり、二本を掌で把握し一緒に摩擦するなどの刺激を繰り返した。


自然とお互いの口内をまさぐり深い口付けを交わした。


「は、ぁ、、あっ…ちね…気持ち…良い……ぁ、」



「ッ……僕も…ヤバイか…も」



知念の拳がゆっくりと上下に動き、指先で鈴口を軽く引っ掻き射精を導いた。



「あ、あぁぁッ………ツ」



俺と知念はほぼ同時に果ててしまった。



お互いの鈴口からはドロドロとした白濁汁が溢れ拳を汚した。



「知念……もう戻らないと」


呼吸を整え、知念を引き剥がしシャワーで身を清めた。


「涼介……」


知念に後から優しく抱き締められ思わず吐息が漏れた。

知念と自分の鼓動がうるさい程高鳴っている。


「……次も期待しててね」


知念は耳元で囁くと、軽くシャワーで汗を流し部屋を後にした。





顔中が熱く、動悸が速いのが分かる。


「……マジかよ……」


知念の言葉で再度昂る自身を見つめ困惑した。





その後暫くは知念の顔は見れない日が続いた。


これは恋じゃない。決して恋ではない筈なのに……胸が高まるのは何故だろう。



この気持ちに気付くのは後少し先の話になるだろう。








END



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