小説

□知念と云う男
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「山ちゃん…」

コンサート終了後、宿泊先のホテルでそれは起こった。何時もの様に仔犬の様な眼ですがり付く男に眼を奪われた。


何時もとは違い、どこか緊迫感が全身を貫いた。


ジトリと額に汗が伝う。



「……知念?」

両肩を掴まれ壁に背を押し付けられる体勢の為逃げることが出来ない。


知念の脚が山田の脚の間に入り、完全に逃げ場を出さない様にしている。



「…山ちゃん…キスしたい」

そう云うと、知念は山田の顎に手を掛け軽く上に上げた。


同じグループでずっと過ごしてた男の性を剥き出し欲情する顔。


ふざけて良く軽いキスを交わす事は何度かあった。


でも今回は違う。



完全に欲情した男の顔。

「……するよ」

知念はそう呟くと唇を重ねてきた。


「……んッ」



初めは唇の感触を確かめるかの様に触れるだけのキスだったが舌で唇をなぞり、歯列を無理矢理こじ開け口内に舌を滑り込ませた。



「っ…ちょ…」

クチュクチュと水音が響く。


お互いの唾液が混ざり、唇の端から流れ落ちる。

苦しくて相手の胸元を両手で叩く。


「………」


知念は無言のまま、山田の手首を掴み壁に押し付けた。

「…いっ…」


ギリギリと手首に伝わる激痛に顔が歪む。


その際にも舌が上顎をなぞり、丁寧に口内を攻めてくる。


「あ…ん、ふ……う、、」


思わず 甘い声が漏れてしまった。


その反応に知念の眼が見開く。



やっと唇を離してくれた。


唇を離す際に唾液が糸を引いた。


その光景が凄くヤらしく、今にもはち切れそうな位下半身が昂るのが分かった。

「…え?山ちゃん…キスだけで興奮しちゃったの?」


熱を持ち、昂る下半身を軽くなぞる。


「あっ……やめろよッ」


少しの刺激でも身体全身にビリビリと電気が走る刺激に襲われた。


「…抱きたい。…ダメ?」



その言葉に、驚き知念の顔を見上げる。


顔を紅く染め、答えを聞くのが恐いのか不安な表情を浮かべている。


「…駄目」


「………そうだよね…ごめん」

拒絶の言葉を耳にした瞬間、酷く哀しい表情を浮かべ押さえていた手を離し、身体を遠ざけた。


その反応がまるで主人に叱られた犬の様で妙に愛着が湧いてしまう。



「…って言った所でまた盛るんだろ?」


わざと嫌みな雰囲気を混ぜ落ち込む相手に向けた。



「…え?」



言葉の意味を理解してないのか戸惑いながら手を頬に伸ばす。


「だから、やるなら来いって言ってんの」

相手の胸ぐらを掴み自分の方に引き唇に噛みついた。


「ッ」


そのまま貪る様に舌を動かした。


「…や、まちゃ…」



「良いから早く抱けって!」


もう歯止めが効かず夢中で相手の硬くなったモノを口にくわえた。


ビクッと身体が仰け反る。


「凄い。ガチガチ」


始めは亀頭から竿に掛けて舌を動かす。


次に一気に根本まで飲み込み、舌で鈴口を刺激した。


カウパーが溢れ口内に何とも言えない味が広がる。



「ッ」

知念の眉間にシワが寄り下半身が痙攣を起こす様にビクビクと震えた。



「先走りでぬるぬるなんだけど。イキそう?」



いたずらっぽく笑みを浮かべながら大きなままのモノを弄ぶ。




「……よ」


ポソッと知念が呟く。


「え?」


その言葉が聞き取れず、山田は知念に顔を寄せ耳を済ませた。


「…飲んでよ」


「僕の精子」



そう云うと、知念は山田の髪を掴み、自分の硬くなったモノを唇に当て擦り付けた。



「ンンンッ」


ぬるぬるとした先走り汁が山田の頬や唇にまとわり着いた。





「…山ちゃん…」





恍惚の表情を浮かべ、更に山田の後頭部を自分のモノに押し当てた。



山田は唇を割り、ビクビクと脈打つペニスに貪りついた。




唾液を絡ませ、竿から亀頭と丁寧にしゃぶり、時には吸い上げた。



皮もずらし、鈴口から垂れる先走り汁も丁寧に舐めとった。







「ヤバッ…出るよ…」




その瞬間、知念は山田の口内に勢い良く達した。



「ンンッ」



口内にツンとした臭いが拡がり、舌に強い刺激が伝わる。



「呑んでね…」


にこりと微笑み、山田の唇を手で押さえ込んだ。



口内に拡がる臭いにひどく興奮した。



山田はわざとゴクッと音を立て、口内に射精された精子を飲み干した。


どろっとした喉ごしで熱が伝わる。



「…飲んだけど?」




口を開け、精液を飲んだ事を知らせた。




「…そろそろ限界なんだけど……」



知念の指先が山田の胸元に伸び、乳首に爪を立てる。



「ぁッ」




ビクッと身体が大きく仰け反り軽い痙攣が山田の全身を襲う。








知念はそのまま指でつねったり転がしたりと弄んだ。



その度にビリビリと刺激が伝わり声が漏れてしまう。



「挿れるね」


そう云うと知念は山田の膨らんだモノに手を伸ばすと下着の上から鈴口に爪を立てた。



「あ、んんッ」

その刺激に山田の下着に染みを作った。



全身の力が抜け床に倒れる形で座り込む。




「…イッちゃったの?」




知念が山田の肛門に指先を挿入しながら問いかけた。




「あっ、、は、あんッ」


指が一本から、二本、三本と増え肛門の入り口を拡げていく。


その度に呼吸が荒くなり、脳内が真っ白になっていく。



「凄い。こんなに僕の指を飲み込んで行くよ。」


一番奥まで指を動かすと、捻りながら一気に引き抜いた。



「!!」



「〜〜ッ!!」


言葉にならない声で叫び山田のペニスから勢い良く精液が飛び出した。


その際に知念の顔や身体に精液が掛かった。



「凄いね…あの山田がこんなになるなんて、何か嬉しいな」


知念は宝物を見つけた子供の様にキラキラと瞳を輝かせた。


同時に山田の肛門を拡げ、自分の昂ったペニスを勢い良く挿入した。



「う、ぁぁッ」

ビクッと身体を仰け反らせ山田が喘ぐ。


「…挿入ったよ…山田の中、熱くて絞まる…千切れそうだよ」



知念がふふっと笑みを溢し、山田の唇に自分の唇を重ねた。



「ち、ね…もう少し…ゆっくり…あっ」


知念の動きでベッドがギシギシと音を鳴らす。


山田の声が途切れならが響く。




「…あっ山ちゃん…そんなに絞めないで」



肉圧に感じる快感に知念の顔が歪む。


「あっは、あっ…む、り…ッ」


休むことのない快楽に山田の声が一際高くなる。



「知、念…も、無理…」


そう呟く山田の身体が大きく痙攣する。


ペニスから先走り汁が腹部、股を汚していく。


「…ねぇ、名前で呼んでよ」



知念が山田の髪を撫で、小さな声で呟く。


知念の動きがより一層速くなる。



「あぁッ」



山田の顔が歪む。


山田は必死に知念にしがみつき唇を薄く開けた。



「侑…李、、」



その瞬間、知念の動きが止まる。



「好きだ、侑李」



山田が知念の唇に軽く唇を重ねる。



「…山ちゃん……」



驚きを隠しきれないのか、知念がポカンと口を開け山田を見つめる。


「侑李も名前で呼んで…?」


耳元で甘い声で囁いた。


それと同時に知念の動きが強まる。


「涼介」


甘い囁きが脳内に響く。


それはまるで麻薬の様で、山田の頭の中をかき混ぜていく。


「ぁっ…や、あぁぁッんッ」

身体中に電撃が走った。


知念の声が脳内に響く。


「涼介!?」



目の前でぐったりとし自分の肩にもたれ掛かる相手に驚き声を荒げる。



荒い息でほぼ肩呼吸に近い状態で知念の中で項垂れる。


自分自身でも驚いた。


まさか名前を呼ばれただけで、絶頂に近い感覚に襲われるとは……。


「山ちゃんッ!大丈夫!?」


ぐっと両肩を掴まれ、引き離された。


重い目蓋を開けると今にも泣き出しそうな知念がいた。


「…侑…李?」

「ごめん…激しくやり過ぎた?」



落ち込んだ表情で山田の頬を撫でる。



「……ら」



「え?何、聞こえない」


知念が耳を山田に傾ける。



「…侑李…に名前…呼ばれたから…イきそうになった…」



少し恥ずかしそうにはにかみながら知念の唇に軽く口付けを交わした。



「……ごめん」


その瞬間、知念は山田の腰を掴み前後に腰を動かした。



パチンッと高い音が響く。



「あっ?」



「…涼介がいけないんだよ。そんなに誘うから」


「もう止めてあげない」



ぐっと深い場所まで知念のモノが挿入していく。


浅い場所や奥まで山田を攻めていく。


その度に、山田の中は知念を締め付ける。



「うぁぁッ…や、ヤ、だッ…」


身をよじりながら必死に知念から逃れようとする。


その際体制が変わり知念から見てバックから攻める形になった。


「凄いよ。繋がってるのが丸見えだよ」


指で山田のアナルを拡げる。



「や、駄目駄目駄目、イッちやゃうからぁッ」


ぐっとシーツを握る拳に力が隠る。


目頭からは熱い涙が流れた。


「駄目じゃないでしょ?凄い感じてる癖に」



再度腰を強く打ち付けた。


パンッと音が鳴ると同時に水音が響く。


つぅっと山田の太股から先走り汁が流れる。




「あっイクッイクゥ、んっ」



山田が高い声で喘ぐ。



「っ」



知念が小さく呻くと同時に山田の胎内に勢い良く精液を吐き出した。


ドクドクと注がれる。


「あ、んぅ」


山田が身震いを小さくした。



知念のモノが山田から引き抜かれる。

泡立った精液が山田の脚から、流れシーツに染みを作り始めた。






次の朝知念が目覚めると山田の姿が見当たらない。




「山ちゃん?」

洗面所に足を運ぶと鏡の前で自分と睨めっこをしている山田の姿があった。



知念に気付くとじろりと鏡越しに知念を睨み付けた。


「どうしたの?」



飄々と問いかける。



「てめえ、どーすんだよ!」


これと言わんばかりに自分の首から胸元を指差す。



そこには赤い痕が幾つもその存在を印してた。


「今日もライブだろうが!」



「だから?」



きょとんと怒り狂う相手を見つめる。



「目立つだろうがよ!」



トントンと指で痕を叩きながら声を荒げる。



「皆にさ、山田は僕のモノって知って貰えるチャンスじゃん」


けろっとした表情で答えるとゆっくりと山田に近づき、耳朶から首筋、鎖骨へと舌を伝わせていく。



「んッ」



山田がぎゅっと目蓋を閉じ肩をすくませる。



「涼介、、愛してるよ」



チュッと額に唇を落とす。


山田の顔がみるみる赤くなり、はにかみながらうつ向く。



この様な行動に弱い事は知っている。


「…可愛い」


くすっと微笑み恥ずかしがる相手の頭を撫でる。



その数時間後にメンバーの有岡と八乙女に声がうるさいと二人して説教を受けたのは他でもない。




end

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