小説

□薬物注意報
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「…ね、…がいっ…ぁッ」



暗い部屋に響く高い声。

その瞳は艶やかに潤んでいた。



「何?」


「はっきり言わないと解らないよ。」



俺はビクビクと小刻みに身体を震わせる相手に向けた。




「…や、ぁッ」

プイッと視線を外し両手で顔を隠す愛しい人。


「…素直じゃない子は嫌いだよ」


元から声は低い方だが自分の質問に答えない相手に苛立ち、一際低く発する。


「や、たか、、ねが、ぁッ」


目に一杯の雫を溜め、プルプルと首を左右に降り懸命に訴える。


「伊野尾君、、何が駄目?」



「もしかして、これ?」



そう云うと、伊野尾のぺニスを覆っている貞操帯に手を掛けた。



「あっんぅ、、オシッコ出ちゃ、、あぁッ」


ビクビクと脚を痙攣させ伊野尾が俺の服の袖口を強く握る。


「高木ぃ…っ」

「お願い、これ外し…ぁぁッも、オシッコ、、我慢…んッ」


口元からだらしなく流れる涎。


貞操帯を着けているにも関わらず太股の周りは先走りでぬるぬるとしている。




「…駄目」


そう素っ気なく呟いた。







数時間前


メンバーはある雑誌のグラビアで撮影場所に集まる事になった。



グラビアの内容は天使と悪魔をモチーフにした内容でまずソロで撮影し、二人、三人ペアで撮影をする形になった。


俺の相手は知念だった。


流石顔だけは女の子みたいで整っているから天使の白い衣装が良く似合う。


中身は悪魔、、(山田限定で)と言うのは言わないでおこう。



知念の目線の先には同じペアで組んでいる裕翔と必要以上に身体を密着させて微笑む山田の姿があった。



「…チッ」


知念の小さな舌打ちに、何も悪い事をしてないのに体がぴしっとして俺は意味もなく背筋を伸ばした。



「…躾方が足りなかったかな…ふふ、、」


ボソボソと何か怖い事を呟くと不意に知念の目線が俺に変わった。


そのピンク色で艶やかな唇が耳元に近づき薄く唇を割った。



「ね、いのちゃんと付き合ってんでしょ?」


その言葉に衝撃を受けまじまじと知念の顔を見つめる。


「高木くん、急に動かないで〜目線こっちね!」

カメラマンの声が響く。



今は撮影に集中しないといけない。



でも知念の言葉が気になる。



知念は続けた。


「いのちゃんの乱れた姿、、見たいと思わない?」




「は…?」


小声で知念に問いかける。


「これ、、あげる」



そう云うと知念は俺の拳に何かを握りしめた。



撮影は無事に終わり、知念の腕を掴みスタジオを出る。



「…さっきのどういう意味?」


一瞬、目を丸くしじっと俺を見つめる知念だが口角を上げクスクスと小さく笑い出した。



「さっきあげたの良く見て」



そう言われるがままポケットに入れた物を再度取り出し確認する。



「…薬?」


白くて細長い、大体四ミリ〜六ミリ位の大きさの錠剤だった。



「…何これ?麻薬とかじゃないよね?」


その言葉にまた知念がクスクスと笑う。



「違うよ。只の利尿剤」



利尿剤?

利尿剤って尿が少ない人が服薬する物だ。


何でそれを俺にくれたのか。



目の前で愉しげに笑う相手に理解が出来なかった。



「…普段のセックスからは想像出来ないほど良いよ。」



耳元でふっと吐息を掛け、ポンポンと肩を叩き俺の横を通りすぎて行く。



俺はその後ろ姿を見送る事しか出来なかった。




「た〜か〜き〜!」


急に両肩に重みが伝わる。



「…重いよ」


飄々とした表情で瞬きをする伊野尾に目を向けた。



「な〜んだよ〜!構えよ〜」


ケタケタと笑いながら後ろから腰に手を回してきた。


「………」



急に静かになりうつ向く伊野尾に気付き声を掛ける。


「…どうしたの?」



振り返ると同時に伊野尾の唇が耳元に近づいてきた。



「……ね、今日雄也ン家行っても良い?」


何時もは皆からテキトー王子なんて呼ばれている男の欲情した顔。


その大きな瞳は艶やかに潤んでいた。


伊野尾が名前で呼んで来るときはしたい℃桙セ。


そういえば、ここ最近はご無沙汰でしたね、、


「…いーの?」

多分間抜けな顔をしてたと思う。



「…おっけぃ」

いつもの感じで伊野尾が笑う。




その夜、俺と伊野尾はメンバーだけの飲み会に参加せず真っ直ぐ家に向かった。



スタジオを出る際に山田の顔が紅くなっていたのが目に入った。


知念が俺の目線に気付きくすりと笑う。


多分、この後ナニをするのか察しているのだろう。




そんな事をぼーっと考えていると目の前が暗くなった。



「高木!何考えてんの!?」

目の前に伊野尾のドアップがあった。



「…ん」

驚いている暇はなく伊野尾の唇が重なってきた。


ピンク色のぷっくりした唇が離れたり近づいてきたりする。



もどかしくて歯裂を抉じ開け舌を挿入させる。


「んぅッ」


突然の出来事に伊野尾がびくっと肩を震わせる。



逃げようと引っ込める舌に軽く歯を当てる。


「ひゃ、ん…」


伊野尾から艶やかな吐息が漏れる。


逃がさない様に舌を深く差し込み、ねっとりと吸い付いた。


「あっ…しつこ……ッ」


唇を離すと肩呼吸する伊野尾がじろりと睨み付けてきた。


「も〜!長い!」


口元から流れた涎を手の甲で拭きながら、シャツのボタンを外し捻り寄ってくる。



「ね、もう……しょ?」


欲情した顔は多分最高に艶っぽい。


もっと乱れた彼が見たい。


ふと、数時間前の知念の言葉を思い出す。


『乱れた姿見たいと思わない?』


正直、ほんの好奇心だった。



俺は知念から貰った利尿剤を口に含み再度伊野尾の口内に舌を絡ませた。


口の中に苦い味が広がる。


お互いの唾液でそれは伊野尾の喉に滑り落ちた。



「え、何?」


得体の知れない恐怖に伊野尾の顔から光がなくなる。



薬の他にも知念から受け取った物があったのを思い出した。



袋から取り出したのは黒い物体。真ん中に鍵口が付いている拘束器具。



俺はその器具を手に取り伊野尾に装着しようとしたが



「ヤダヤダダヤダ!何なんだよぉッ」


あ……。


完全に怯えている。


身をよじりながら身体を縮込ませる。


「伊野尾君に似合うって」


ずいっと身体を滑り込ませ密着させる。


下着をずらすと形を変えたモノがその存在を自重していた。



「ッや、たか…」



恥ずかしいのか手でそれを必死で隠す伊野尾。


直ぐに腕を掴み素早く下着を剥ぎ取る。


そして有無を言わさず貞操帯を装着させた。



満足し、上を見上げると頬に一滴の涙が俺を濡らす。




「伊野尾君…」



「…て」

ボソッと伊野尾が呟く。



「…?ごめん、何?」


聞き取れず、耳を伊野尾に近づける。




「…っイカ…せて…」


震える声で囁く。



セックスの時はお色気スイッチが入る。



その色気は半端なくヤらしい。


そして、その白い脚から上に目線を移すと黒い貞操帯がその存在を自重していた。



「…綺麗だ」


軽く額に唇を落とした。



「やぁ、、そん…な…ことッ」



右腕で顔を覆い隠し、左右に首を振るう姿に愛しさを感じた。



「綺麗だよ、、綺麗でイヤらしい……」


更に強く唇に噛みついた。


「んンッ」

歯形の付いた唇を舌でなぞり、口内へ舌を深く挿入した。


伊野尾の口内はとても熱くとろけてしまいそうな熱に吐息が漏れる。

「イキたいの?」


唾液を流し顔面を紅潮させながらうつ向く伊野尾に声を掛ける。


静かに伊野尾が頷く。

瞳を潤ませながら唇を開いた。



「高木ぃ……早く、、、」



嗚呼……この色気ムンムンな感じは駄目なやつだ。

いつもならこの色気に根負けして直ぐに伊野尾を絶頂に誘う所だが、今回は少し焦らして何時もより乱れて貰いたい。


「良いよ……でもこれは外さないよ?」


貞操帯の先端部分を指で弾く。


「あっンッ」


その刺激に伊野尾が小さく身震いをした。


俺は伊野尾を壁に手を付かせ貞操帯を装着させたまま後ろからその白い尻肉を指で開き、ピンク色の蕾にゆっくりと己の熱く脈打つモノを挿入した。



「あぁぁ、、んッ」


奥まで挿入したと同時に伊野尾が小刻みに震え甘く喘ぐ。


伊野尾の胎内は温かく肉厚も良くて時々俺を締め付ける。


「伊野尾君……絞めすぎ……ッ」

指でアナルを拡げればピンク色の花が覗く。

俺のぺニスをぎゅうぎゅうに加え込みどんどん奥に吸い込んでいく。

俺は腰の動きを速めた。

肌と肌がぶつかる音が部屋中に響く。

伊野尾の内股からは先走りや体液が流れ落ちる。


その光景が凄く興奮させた。


「あッんんッ激し……」

俺の動きに合わせ、がくがくと上半身を痙攣させながら上目遣いで俺を見上げる。


「凄い、、前触って無いのにパンパンだね……」


貞操帯の上から今にもはち切れそうな彼自信を撫で下ろす。


「やぁッ、、、無理……抜いて、、、。」

そう叫ぶと涙目で必死に首を振り抵抗する。


「トイレ!……オシッコ、、したいか、らッ」


知念から貰った利尿剤が効いてきたみたいで伊野尾に尿意が襲って来たみたいだ。


俺の腕に手をかけ自分から引き離そうとする。


「……駄目だよ、、、」


「……そんなッ」


否定の言葉に伊野尾の顔はみるみる青ざめ始まる。


ちょっと可哀想に思えたが小動物の様に身体を縮め震える姿に意地悪をしたい衝動に襲われた。


「……伊野尾君が素直にお願い出来たらトイレにいかせてあげる」



にこやかに微笑み伊野尾を見下ろした。


「な、に……?」


言葉の意味が理解出来て無いのかぽかんと口を開け俺の言葉を待っている。


「俺にきちんとおねだり出来たら気持ち良くしてやるよ……どうする?」


伊野尾の胎内に納まっている自身を抜き伊野尾の頬に擦り付けた。

先走り汁が伊野尾の頬を汚した。


「やだ……。言わない」

ぷいっとそっぽを向き頬に付いた先走り汁を手の甲で拭った。


「ふーん、、。言わないならソレ……外さないよ?」


つんっと指で黒々と光る器具を弾いた。


「やぁッ」

ビクッと伊野尾の肩が跳び跳ねる。




これが数時間前の出来事。
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