小説

□欲情バンパイア
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満月が光る夜。


どうしても欲望が抑えきれなくなる。



「……たかきぃッ……」


年に一度満月が輝きを増す時期、当然の様に身体中を襲う発情期がやってくる。



実は俺、伊野尾慧はバンパイアの血が流れている。


いわゆるハーフ。


だが、世間にはその存在を知られる訳にはいかない。


上手く人間界でひっそり暮らして行かないと……。


同じジャニーズでJr.時代から腹を割って話せる相手が居た。



それが高木雄也。



一目見て俺は高木に釘付けになった。


最初は高木を単なる食料としか見てなかったと思う。


JUMPが結成され、同じグループに配属になって、すぐに発情期を迎え、高木に頼み身体を交えた。

初めはひどく警戒されて居たが直ぐに俺を受け入れてくれた。


それから俺が発情期になる度に血液と快楽を与えてくれる様になった。



そして、今日10月30日。


突然身体中が熱くなり呼吸が苦しくなった。

発情期が始まり、直ぐに高木にすがり付いた。



「高木……俺、、もう……」


呼吸が荒くなるのが自分でも分かる。


「……伊野尾くん、、、今年も来たんだね」


察する様に高木が上着を脱ぎ首を差し出した。



俺はためらいもなくその筋肉質な首筋に歯を立てた。


「ッ……」


牙を肉に深く刺し、穴を開けていく。


ブチブチと筋肉が千切れる音が耳に響いた。


じわりと鉄の匂いが鼻をくすぐる。


「……ん、」

ちゅうっと軽く吸い上げると口の中いっぱいに拡がる鉄の味。


生臭い匂いが鼻をすり抜け、まろやかな風味が拡がる




もっと欲しくて更に強く牙を立てた。



「いの……。痛ッ……」


高木が必死に痛みを我慢している。徐々に身体中の血液が少なくなり全身に震えが襲ってきたらしい。


そろそろ止めないと死んでしまう。


物足りなさを感じたが、首から流れ落ちる血液を舌で舐め上げた。



「あ……ッ……ん」


いつの間にか右手が自分の股ぐらに伸びており、硬く形を変えたモノをまさぐっていた。



「……伊野尾くん、、俺の血、呑んで興奮したの?」




高木が息を荒げ、目線を移した。



「ッ……ん、、我慢でき……ッ」



手のひらでぺニスを包み込むと激しく上下に動かした。


先走りと汗で程よく滑り、快感に誘導していく。




「も、欲し……ッ」


頬を紅潮させ、上目遣いで高木を見つめる。




欲求が膨らみ、自分では抑える事が出来ない。



段々と自身を慰める手に力がこもり、徐々にスピードを上げて行った。



「はぁ……も、イクッ……ん、、、、んンッ……」



軽く身震いをすると自分の手の内で達してしまった。



「あ、、、高木……」



荒く息を吐き出すと、俺の淫らな姿をじっと見つめる相手に向け身体を覆い被せる。




「伊野尾くん……。」




「も、駄目……我慢できない……っ」


舌先で高木の唇に触れ、下からねっとりと舐め上げた。




「……どうして欲しいの?」



高木が低く耳元で囁いた。




俺は恥ずかしいとかそんな事を考えている余裕なんてなかった。


ただ、



今すぐ




「欲しい……雄也のちんこ、俺のナカに挿れてッ……」



多分、今の俺は只のメスと化しているだろう。


イヤらしく、だらしない顔を高木に近づけると唇を重ね、高木の膨らんだソレに手を伸ばした。



「んッ……いの、、」


小さく高木が呻く。



舌を絡ませながら高木の硬くなったモノを掌に包み込み、ねっとりと弄んだ。



徐々に高木の熱が上がっていくのが全身に伝わった。



「伊野尾くん……そろそろ……っ」



掌に高木の熱と脈が伝わる。


俺は高木の上に股がり、高木のぺニスに自分の唾液を垂らし、滑りが良くなったのを確認すると、ゆっくりと腰を下ろした。



「はぁぁ……ッ高木ぃ……全部、、入ったよ……」



恍惚の表情で高木を見下ろす。


根元まで飲み込んだ高木は胎内でびくびくと脈打ち、更に硬さを増す。



それが嬉しくて更に快楽を求め、腰をゆっくりとくねらせた。




「っ……ちょっと待っ」


急な刺激に高木が眉間にシワを寄せる。



「あっはぁ……ッね、雄也も動いて……ん、、」



上下運動をしながら高木に顔を近づけると耳元で囁いた。




暫く黙っていた高木が急に腰を掴み、勢い良く下に引いてきた。



「うぁッ……」


突然の衝撃に思わず甘い声が漏れてしまう。


高木が腰を突く度に亀頭が前立腺をノックする。



「あっ……ソコッ……駄目…」



前立腺を刺激される度にぺニスがきゅんと切なくなる。


不意に高木に目線を送ると、哀しそうな表情を浮かべ俺の唇にそっと触れた。



「……伊野尾くん……出るよ……っ」



高木がフィニッシュをする為の最後のピストンを仕掛ける。



その快楽に我慢できずに、高木の首に噛みついた。




「痛ッ……」



思い切り噛んだせいか、高木の首筋から鮮血が流れる。


更に深く牙を差し込む。


その瞬間、高木が低く呻き、俺の胎内で果てた。



高木の熱と吐き出された精液の生暖かさが胎内に伝わる。




「……早いよ」


少し頬を膨らませ、高木にもたれ掛かった。



「伊野尾くんが急に噛みつくから……」


そう言うと高木は先ほどの傷口に手を掛け、優しく撫で下ろした。




「……ん、」



ゆっくりと腰を上げて高木のぺニスを抜いた。


アナルからは高木の精液が溢れ、脚を伝い床やシーツを汚した。



「……満足した?」


ゆっくりと呼吸を整える俺の顔を見上げ、高木が柔らかく微笑む。



「まぁまぁ……?」



高木の頬を指で撫で、軽くはにかむ。



「何だよ……ソレ」



つられて高木も小さく笑った。





改めて、俺はこの人が好きなんだと実感した。

初めは、単なる性欲処理の相手としか思ってなかった。

食事も出来て、セックスも出来る都合の良い高木……。


だが、身体を重ねる度に以前の考えは消えていった。


どんどん高木に対する気持ちが膨らんでいった。




「……好きだよ」


そう言うと高木の唇に触れるだけのキスを交わした。



高木が照れながらどうしたの?と聞いてくる。




「ん〜?別に〜」



改まって言葉にすると結構恥ずかしいものだ。



わざわざ言葉で表さなくとも、伝わる事は沢山あるから。



また、来年のハロウィンに愛を伝えよう。








end

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