小説

□縄。
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今日はとある雑誌のグラビア撮影がある日。


JUMPのメンバーは撮影の合間に楽屋で各々自由な時間を過ごしていた。


「はぁ〜ッ疲れた〜!」


長時間の撮影で疲労困憊だったのか、伊野尾が襟口を開け、パタパタと手で顔を扇いでいる。



「高木、、次って何の撮影だっけ?」


有岡がこちらに目線を向けて声を掛けてきた。


「ん〜?確か、、Yシャツ特集だったかな……」


俺より先に伊野尾が答える。


人差し指で自分の唇を触りながらこちらを見つめている。



その姿をじっと見ていた有岡が急に顔を真っ赤にして声を荒げた。


「ちょっいのちゃん、見えてる!!」


有岡は慌てて伊野尾の襟口を閉めた。



「え〜?見えちゃった?ごめんね?」


伊野尾はへらへらとした笑みを浮かべて首を左に傾けた。


「…………。」


二人のやり取りを黙って見ていた俺は視線が気になり、伊野尾に目を向けると伊野尾がこちらを横目で見ていた。


目が合うと口の端を軽く上げ、ニコリと笑みを浮かべる。



「……まさか、、お前……」


有岡が伊野尾のシャツのボタンを無理やり開け、シャツを肩から下に下げた。



「……やっぱり、、、」



その姿は白い肌にくっきりと姿を見せる赤い跡。


首から胸元と肘から手首まで赤く線が付いている。


「あらら……バレた?」


多少気まずそうに伊野尾が肩をすくめる。



そう、実は伊野尾には緊縛趣味があった。

縛る方ではなく、縛られる方に快感を持つ性癖。


しかも、縛り方は強ければ強い程興奮する様だ。




ごくたまに現場にも緊縛して来るくらいだ。


今ではメンバー全員が伊野尾の性癖を知っている。



「どうすんの?今日の撮影セクシー路線じゃなかった?出来んの?」


有岡が心配そうに伊野尾に言葉を掛けるも、当の本人はいたってけろっとしながら大丈夫と手をひらひらと左右に動かした。



「監督にさ…上手く誤魔化したから、脱がなくてOK貰ったんだよね」



伊野尾の言葉に呆れ果てる有岡が肩をすくめる。


「あ、でも仕事はちゃんとやるから!」


そう言って伊野尾は楽屋を後にした。




伊野尾が出て行った後の楽屋の空気はかなり重く、気まずい物だった。



「高木……お前も大変だな……。」


有岡がぽんと軽く肩を叩く。



「え……何が?」


その言葉に軽くため息を吐き、有岡が俺の耳元に口元を近付かせ唇を割った。



「お前だろ?いのちゃんがあんな風になった原因」



全身が凍りついた。


まるで金縛りにあった様に動かない。


ヤバい…。

脳が直接語りかけてくる。


「…何が?」


あくまでもシラを切る俺に、有岡はフッと短く息を吐き軽く肩を叩き釘をさした。


「いのちゃんもアイドルなんだから、あまり無茶すんなよ」


そう俺だけにしか聞こえない声で言い残し、知念と岡本が楽しそうに話している場所へと行ってしまった。






その場にいるのが居たたまれなくなり、俺は楽屋を後にした。





その後撮影は順調に進み、何事も無く終わりを告げた。



「…高木っ」


着替えをしに楽屋に戻る際に、誰かに呼び止められた。



「…伊野尾くん」


声の持ち主は、女の子の様に可愛らしい顔立ちで頬を紅く染め上げ此方を見つめていた。



「……今日さ、高木んちに行っても良い?」



うつ向きながら上目遣いでそう誘われたら断る事は出来ない。


俺は二言で返事をした。





「あ、あ、ンぅッ…早くッ…」

暗い部屋に響く高い声。


部屋の天井からは金属の棒が長く繋がっており、そこにくくられている縄。


今夜のオーダーは、両手両足を縛り吊るすといった宙吊りプレイ。


その白くて細い手首には縄が食い込み、鬱血し赤紫色に変色していた。


身体中に食い込む縄。胸元に何重にも巻かれた縄は容赦なく伊野尾を締め付ける。


「伊野尾くん…大丈夫?」



宙でプラプラと浮いている彼は潤んだ瞳を此方に向け、恍惚な表情で唇を開いた。



「あ、、も、高木ぃ…欲し…ンぅ」


最近は、首を絞めないとイケないらしくて、吊りをする度に求めて来る様になった。



きっかけは数ヶ月前、いつもの様に伊野尾に求められ、吊りをしている最に誤って、ロープが伊野尾の首に引っ掛かり危うく俺は殺人犯になる所だった。


だが、当の本人は首が縄に食い込み、息が吸えず窒息しかかる瞬間にとてつもない快楽を覚えてしまったそうだ。



その日を境に、身体を重ねる度に首を絞めて欲しいとねだる様になってしまった。





射精が出来ないように、伊野尾の昂るぺニスに器具を食い込ませる。


先走りをだらしなく垂らす鈴口にプラグをゆっくりと挿入していく。


「ひやぁぁッ…それ、嫌…ぁッ…」


びくんと伊野尾の体が揺れる。

尿道に挿入されたプラグに付いているリングがカチャリと音を鳴らした。


続いて、手にたっぷりローションを垂らすと、伊野尾の白い後ろをゆっくりと拡げ、そこから覗くピンク色の菊座に当てがい、満遍なく塗っていく。



「ひぃッ…や、何?」


急な冷たい感触に驚き、目をぱちぱちと動かす相手を後目に双頭に別れ激しく回転するバイヴをすっかり濡れ、柔らかくなった穴に挿入した。



「はあぁぁッ高…木…やだ…やぁ、ッ」


嫌々と首を左右に揺する相手に、もっと酷くしたいと黒い欲が俺を動かした。


「嫌?…嫌じゃないだろ?伊野尾くんのココは喜んでこれを飲み込んでるよ?」



指で軽くバイヴを弾く。


「…や、もう…イキた…」



宙吊りになりながらも全身をガクガクと痙攣させた。



「…まだ駄目だよ」



「ッ…」



伊野尾の顎を此方に向け唇を塞ぐ。

思い切り後ろに反れた体がびくびくと震えるのが分かった。

伊野尾が苦しそうに喉を鳴らした。その白い首筋に麻縄を引っかけ後ろに引いた。




「ンぅ〜。んンンッ…」


唇を塞がれたまま伊野尾が苦しそうに目を見開いた。
ゆっくりと時間を掛けて縄を締めたり、緩めたりを繰り返した。



舌先を引き抜くと、だらしなく涎を垂れ流し口を開けたまま必死に酸素を吸い込む伊野尾くん。



直ぐに縄を首に食い込ませる。



「がッ…ごぉッ…ん…ぁッ」



鈴口にプラグが刺さっているにも関わらず、じわじわと尿が伊野尾の腹部、足を濡らし、床一面に水溜まりを作った。


「はは…気持ちよすぎてお漏らししちゃったの?」

更に縄を食い込ませた。


その綺麗な瞳が見開かれ、赤い唇からはだらりと舌が垂れた。



そろそろ限界だろう。



縄から伊野尾を解放すると、やっと酸素が吸えたのか激しく咳き込んだ。



「ゲホゲホッ…はぁ、、はぁ……」



首を押さえ、ゆっくりと息を吸い込む相手に罪悪感を感じ声をかけた。



「ちょっ大丈夫かよ…流石にやり過ぎた…ごめん」


吊ったロープを外し、やっと地面に降りた彼は恍惚な表情で快楽に満ちていた。


「はぁ〜。危なかった〜。マジで逝くかと思ったわ」


ケタケタと笑いながら、此方に目を向け唇を開いた。


「……高木……挿れて?」



自ら四つん這いになり、白く肉厚な尻を持ち上げた。



バイヴを回しながら引き抜くと、ぽっかり空いた穴がひくひくと痙攣していやらしくひくついていた。


「はぁぁ……ッ…」


バイヴを引き抜いたと同時に伊野尾のぺニスがびくびくと震えたが、プラグをしているために達する事は出来ない。

それがもどかしいのか、唇を噛み、ゆるゆると腰をくねらせた。


「……早く…高木の……欲し…ッ…」


いやらしく誘われ、俺も我慢の限界だった。

痛いほどにズボンの中で昂る己を解放し、二、三回手の内で擦り、紅く盛り上る伊野尾のアナルへと一気に挿入した。




「ふあぁッ…ぁんッ…」



急な刺激に瞬きを繰り返し情けない声で喘ぐ彼の腰を掴み、動物の様に激しく腰を揺さぶった。


「あっんンンッ…激し……」

ぱくぱくと魚の様に空気を吸い込み、俺の動きに合わせてカクカクと体が揺れた。



伊野尾の足を自分の肩に乗せ、一番深い部分を突いた。


「あっあぁぁぁッ…深ッ…」


伊野尾が一際大きな声で喘ぎ身体を大きく仰け反らせた。


足の拘束は解いたが、両手は本人が嫌がり縄で繋がったままだ。


背中の後ろ手きつく縛られた腕は動く度に擦れて赤く晴れ上がっていた。


挿入したまま、体勢を変え、伊野尾を後ろに向かせた。


「あっ…急に、なん……」


突然の行動に伊野尾は後ろを振り向き軽く睨み付けてきた。


俺は、赤く痕が着いた手首に軽く唇を押し付けた。


そっと、背中にも残る痛々しい痕に指先を這わせる。


「……ゴメンな……俺のせいで」


そう、伊野尾の緊縛趣味は実は自分のせいな訳で……。

呑みすぎて訳がわからなくなった俺たちは、たまたま見ていたAVの真似をしてしまい、伊野尾が緊縛にハマり……現在に至る訳で……。今さら後悔というか、罪悪感が俺を襲う。




「……そんなの、お互い様だろ?」


目の前で緩く口を緩めて微笑む彼の姿に自然に涙が溢れた。


「……ごめん……本当は伊野尾くんを傷付けたくないのに……俺は、」


後ろからその細い身体を抱き締める。


そっと、指先に口付けが降ってきた。

驚き目を見開いていると、柔らかく微笑む伊野尾くんが沈黙を破った。


「……俺は、高木が好き。だからそんなに謝らないで……これでも俺は、幸せなんだし?」



「……伊野尾くん…ッ…」


気持ちが昂り、再度後ろからガンガン腰を打ち付けた。


「あっあ、ん、…も、イク…ゆ…やぁ…イク…ッ…」


ぶるぶると伊野尾が身震いをし、口の橋からいやらしく涎が流れ落ちた。


「…ん、良いよ…一緒に…ッ…」


おれはきつく伊野尾の肩口を噛み、パンパンに晴れ上がった伊野尾の鈴口から生えているプラグを引き抜いた。


その瞬間、高く悲鳴に近い叫び声を上げ伊野尾が勢い良く白濁汁を飛ばした。


俺も伊野尾くんの胎内で達してしまった。









「ちょっ…伊野尾さん、いくらなんでもこれは隠しきれませんよ」


メイク室内に飛び交うスタッフの呆れた声。


数日経った今でも、伊野尾の首、腕と身体中至るところにくっきりと赤い線が残っている。



当の本人は相変わらず薄っぺらい笑顔を振り撒いていた。


それを遠巻きで見ていたメンバーが一斉に俺を睨みつけた。


たじろく俺を無言で見つめていた山田が口を開いた。



「…集合」


その後、俺と伊野尾くんはまぁ、かなりのお叱りを受けた。




end

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