小説

□リバーシブル・ヴァージン
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ジャニーズに入所して約四年が経った。


当時11歳だった俺は15歳になり、背も伸び、体つきも大分大人へと近づいて来たと思う。




「うわ〜山ちゃん…見て見て…スゴいよ」


まだ声変わりが来てないソプラノの音が耳に響く。


俺よりも小柄な背格好の男…知念侑李が顔を赤らめながら此方を覗き混んだ。


今日は知念の家に初めて遊びに来た。

お互い15歳になったばかりだし、思春期真っ盛り。そりゃ、性的な事にも興味が有るわけで……。知念からパソコンでエッチな画像とか見てみようとか言い出したのがきっかけで現在に至る。


俺は知念に呼ばれ、光る画面に目線を移した。どうやら動画の様だ。


「っ……何…これ」



画面の中では男と男がいやらしい表情で絡み合いながら唇を押し付けていた。


画面の中の彼らは、ゴツい訳でも、不細工な訳でも無くて綺麗な顔立ちをしていた。

黒髪の青年が茶髪の美男子に何度も唇を押し付け、次第にお互いの口内から赤い舌先を挿入し絡ませ始めた。


黒髪の青年が茶髪の男のパーカーを捲り、その白い指先を滑り込ませる。




ものすごく恥ずかしくなり、画面から視線を外し知念に顔を向けた。



知念はキラキラと目を輝かせながら夢中で画面の中の彼らを食い入るように見つめていた。




「……なぁ……なんかさ、ヤバいよ……もう止めよう」


いけない物を見た様な感じがして知念に声をかけた。

俺の声に知念がくるっと此方を見つめ唇を開いた。




「男同士でもエッチって出来るんだね」


意外な言葉に、一時思考が止まったかの様にフリーズしてしまい、じっと次の言葉を待った。



「……ちょっと試してみない?山ちゃんも興味あるでしょ?」


知念は顔を真っ赤に染め、前のめりに身体を倒して来た。


両肩を掴まれ、女の子の様な可憐な顔を近づけ唇を押し付けて来た。


不意な行動にしばらく固まっていた俺の顔を覗き込むと、柔らかく微笑みを浮かべ再度唇を寄せる。


まぁ、俺もそういった事に興味もあったし、知念はまだ声変わりもしてなく、端から見ると女の子の様な容姿をしていたから、俺は知念の誘いを受け入れた。



互いに探る様なキスを交わし、お互いの舌先を挿入し見様見真似で口内をまさぐる。



「……山ちゃん…こっちも触って良い?」


唇を離すと潤んだ瞳が俺の膨れ上がっている下半身に移り、ゆっくりと手を伸ばした。


軽く指を這わせられただけで、電気が走ったかの様に身体中がビリビリと痺れた。


顔面が燃えるように熱くなるのが分かる。



口から自然に吐息が漏れる。



知念がゆるゆると自重しているモノに指を絡ませ、唇を寄せて口内に含ませると舌を絡ませ始めた。



「あっ…ちぃっ…待ってっ」



思いの他、知念の口の中は熱く粘膜が絡み付き、ねっとりと唾液を絡ませ、吸い上げられるだけで何だか知らない感覚に襲われた。



「ッ……あ、くぅッ……」



この時初めて射精と云う物を知念の口内で達してしまった。


「ん、……ふふ、、苦いね」



知念の喉がごくりと上下する。
口の端から透明な液が垂れるのを細い指先で絡め取り口の中に運んだ。

その姿が妙にいやらしく、妖艶に映った。


「……お前……なんかさ、随分……慣れてるよ…な、」


俺の言葉に、知念の眉がピクリと持ち上がるが、直ぐにいつもの表情に戻り柔らかく微笑んだ。


「……山ちゃん……良い?」


衣服を全て脱がされ、身体中にキスを落とされる。

その意味を理解し、俺は知念を受け入れた。

お互いに初めてなだけあって、戸惑いながらも俺の身体は知念を呑み込みきつく締め上げた。



「ッ……」


時折知念が苦しそうに顔を歪めるが、夢中で腰を打ち付け、俺の中で熱い熱を注ぎ込んだ。


「……ハァ……山ちゃんの中熱い……ふふ、、」


「じゃあ、早く抜けよ……ッ……」


俺の憎まれ口に、軽く笑みを浮かべ芯を持った肉棒を引き抜いた。


「あ、ん……ふ、」


抜く際に肉壁が擦れ、敏感になっている身体に響いた。



「……涼介で童貞捨てちゃった……なんかさ、嬉しいな」


恍惚な表情で俺の萎えかかっているモノに手を掛けるとゆっくりと手の内で擦り上げた。

その刺激にすっかりと変わり果てた姿になった俺を知念が自らの穴を指先で拡げ飲み込んでいく。



「ッ……知念…何やって…」


なにも準備をしてない為痛むのか、苦しそうに息を吐き出している。


「あ…ふぅ…涼介の童貞貰っちゃった…」



うっとりとした表情で知念が嬉しそうに呟いた。


俺は初めてのセックスで、童貞も処女も奪われてしまった。





それから知念と身体を合わせる事が多くなった。

身体の相性が良いのか、お互いが無くてはならない存在となったが、別に恋人とかそういった関係でも無く、なんとなく身体を求める感じだった。



知念と関係を持ち、五年が経ち俺たちは20歳になった。

お互い彼女が居た時期は在ったが、長続きはしなく、別れる度に、傷を癒すかの様に互いに求め合った。



知念は俺を抱くが、俺はされるがままの状態で、知念を抱く事はなかった。


今では、自分も知念に触れたいと思う事が多くなった。



「……涼介?」


知念の声に我に返り、目の前の知念の顔を見つめた。



「どうしたの?……気分じゃ無い?」


知念の表情に不安の色が映る。



「いや、……そうじゃなくて……」


知念を前に、今確信した。

知念を抱きたいと。

いつも知念が俺を抱く以上にいやらしく淫らな姿をさらけ出してみたいと。そう歪んだ感情が抑えきれなくなる。



「……涼介?」



知念が心配そうに、うつ向く俺の顔を覗き込む。


無我夢中でその淡く色付いた唇に自分の唇を押し当て、貪る様に舌を這わせる。


「んんっ……ちょ、涼……ん、ふぅツ」


突然の状況に頭が付いて来ないのか、必死に知念が唇を離そうともがく。

「んっ……ぷは……ぁ」


やっとの思いで強引に唇を引き離すと、口元から零れ落ちる雫を袖口で拭った。


「……急になんなの?」



じろりと目の前にいる相手を睨み上げた。

暫く重い沈黙が流れるが、涼介が唇を薄く開き、沈黙を破った。



「……知念、俺は……」



「お前を……抱きたい」



突然の言葉に驚きを隠せず、その整った顔を見つめた。


目の前の彼は、罪悪感で一杯なんだろう。酷く哀しそうな表情で此方の返答を待っている。


純粋で硝子のハートを持っている彼を壊すのなんて簡単だ。繊細だからこそ簡単に壊れる。


彼が自分をそういった目で……オンナとしてみていた事にぞくぞくした。



「ふふ、……僕の事そんな目で見てたの?イヤらしいな〜」


悪戯っぽく挑発してみると涼介の顔がみるみるうちに赤く染まった。


「……良いよ。涼介の好きにして?」

ズボンと下着を脱ぎ捨て、呆気にとられた表情の涼介の目の前に立つ。

流石に黙って見つめられるのは恥ずかしい。




さっきから黙ったままの相手にイラつき、彼の中心を足で軽く踏みつけた。

足の裏に硬い感触が伝わる。



「っ……ちね……ッ」



「……な〜んだ……ちゃんと反応してんじゃん……僕の事抱けるって思ったら興奮しちゃった?」



クスクスと小さく笑い声を漏らし、更に形を変えはじめたそれを刺激する。



足の指を上手に使い、ズボンの脱がすと下着越しで自重している涼介の自身がびくびくと脈を打った。


「ッ」


涼介が僕の動きに合わせてガクガクと動く。足を離すとねっとりとした先走り汁が糸を引いた。




「ふふ、、やっぱり涼介は変態だね〜。」


小さく笑うと、唇を噛みしめ此方を睨んでいる涼介を無性に虐めたくなり、胸が高まった。


「知念……いい加減にしろよ……」



呆れた様なため息を漏らす涼介に苛立ち、両肩を掴み床に押し倒した。


「痛ッ……なんだよ!」


頭をぶつけたのか涼介の顔が歪む。


そんなのお構い無しに、涼介の顔の前にまたがった。


「なっ何して……ッ……」


涼介の声が震えるのが可笑しくてまた小さく笑い声を上げた。



「ほら……見える?僕の恥ずかしい処……」



指先で汗ばんだ肉を左右に拡げて見せればひくつく穴からはタラリとイヤらしい雫が股を濡らす。


ちらりと涼介の顔を見ると呆気に捕らわれて固まっていた。直ぐに涼介の顔の上に乗る形で腰を下ろす。

「むっぐぅ……ん〜」

涼介が篭った様なうめき声を上げた。


苦しいのか、必死にもがく。


「ん、ぐっ〜〜っ」


その姿が無様で、更に僕の心を踊らせた。



「痛いの嫌だからちゃんと濡らしてよ……いつも僕がやってるでしょ?」



背中を反らせ、涼介の方を向き、ほくそ笑んだ。


目と目が合い、涼介が悔しげに此方を睨むがそれすらも今の僕には只の煽りでしかなかった。

もっと、涼介の歪んだ顔が見たい。涼介を僕で一杯にさせたい……。そんな黒い欲望が脳内を過る。


「ほら、ちゃんとほぐさないと痛いの知ってるでしょ?…それとも…僕からシて欲しい?」


手慣れた手つきで下着ごとズボンを下ろすと、前に屈み、今にもはち切れそうな程に昂っているモノに手を添え、口に含んだ。



ゆるゆると唇で亀頭を擦り、ゆっくりと根元まで飲み込む。


「……ふ、、ちねッ……」


イヤらしく息遣いが途切れ途切れに聞こえ、更に興奮する。


「ふ……りょーふへも……」


僕は、口の中で確実に形を変えた肉棒を頬の内側から擦り、先走り汁を吸い上げた。


「……っいい加減に……しろよッ……」


不意に、違和感が襲って来た。

「あっ……ちょッ……りょ……っ」


涼介が指先でひくつく穴を拡げている。

まじまじと見られるのも恥ずかしくなり、余裕が無くなる。



次の瞬間、ぬるりと生暖かい舌先が、ゆっくりと奥に挿入された。


まるで生き物の様に肉壁を動きまわる舌先がゆるゆるとした動きに変わって行く。
それが、もどかしくなり自然と腰が動いてしまう。


「は、ァ……んっ……ッ……くすぐったい……」


涼介が焦らすかの様に浅い場所を刺激する。


「ッ……も、良いから……」


腰を浮かせ、体制を変えると、涼介と目が合う。

にこりと微笑むと、バツが悪そうに目を伏せた。


罪悪感で押し潰されそうな涼介の心に更に塩を塗り込む。


「……こっち……貰うね?」



涼介の硬くなった芯棒を軽く手のひらで擦ると、潤った密に当て、ゆっくりと体重を掛けた。


それは、容赦なくズブズブと奥へと呑み込んでいった。



「はぁッ……全部入ったよ……ねぇ分かる?涼介のびくびくしてる……ふふ」




胎内で更に熱を帯びているモノを感じながら、腹を擦り、恍惚な表情を浮かべ涼介を見下ろした。


「ッ……知念……もう……」


涼介がきつく眉を潜め、腰に手を回して来たが、その手を軽く払いのけた。


「駄目だよ。僕で気持ち良くさせてあげるから……勝手な事しないでね?」


前傾に体を倒し、涼介の顔を覗き込むとやんわりと微笑んだ。


ゆっくりと腰を上げ、直ぐに腰を落とす。


痛みが走ったが、今は痛みよりも涼介を感じたくて夢中で腰を動かした。


最初は前後に。

徐々に腰の動きを変え、深い場所まで誘導する。


「あっ……んァッ……涼ッ……介の、奥まで入ってる、、中でッ……擦れてッ……ふぁっ」


肌と肌がぶつかる音と水音が混ざり合い耳に響いた。


「ッ……あっぁんッ……涼介ッ……」


だらしなく開いた口の端からはたらりと涎が流れ落ち、汗と混じり涼介の胸元に落ちた。


雲の上をふわふわと浮いている感じがして、何も考えられない。只、無我夢中で腰を降り続けた。



「ッ……知念……そんなにッ……締めんなッ……」



ナカをぎゅうぎゅうに締め付けると、涼介の唇からは甘い吐息が漏れる。



「ッ……りょーすけッ……好きッ……ふ、」


自然と唇が重なり、僕は夢中で涼介を求めた。


涼介は、さっきとはまるで別人の様な表情を見せ、痛いほどに腰を掴み、激しく腰を動かした。



「あァァッ……や、激しッ……ふぅ……んッ……」


更なる快楽に、身体が仰け反り、高い声で喘ぐ。全身が痙攣している。


涼介の動きに合わせ身体が跳ねる。


「ッ……知、念……もうっイクッ……」


僕の中で涼介が又大きくなる。


爆発寸前かの様に膨大に膨らんで行くのが分かる。



僕も、余裕がなくなり、必死に涼介にしがみつきその綺麗な顔を見つめた。


「はぁッ……ッ……僕、も……一緒に……」


フィニッシュに近付き、お互いに腰を激しく打ち付けた。

「ぁんッ……はぁッ……りょーすッ……イッ……んァぁぁ〜ッ……」


「ッ……」



ドクンと身体の奥に温かい液体が注がれていく。


涼介の熱を感じながら静かに腰を持ち上げ、涼介のまだ硬いそれを抜き出した。


栓が外れ、ぽっかりと開いた口からは先ほどの精液がドロリと流れ落ち、股を伝い流れた。


「はぁ……まぁ良かったんじゃない?良くできましたね〜」

茶化す様に涼介の髪をくしゃくしゃに撫でまわした。



「ッ……止めろよ、つーか」


僕の腕を掴み、涼介が真剣な顔をして唇を開いた。そして……。


「好きだ。」



「ッ……」


不意討ちの告白に、かなり動揺してしまった。
顔中が熱くなる。

「……だから、次は俺がちゃんとお前を抱くから」



「はぁ?それは涼介次第でしょ?」


憎まれ口を叩き、ちらりと涼介の顔を確認する。

相変わらずのイケメンっぷりに、安心して自然に笑みが浮かんだ。



今までの関係から、少しずつだが変わって行くのかも知れない。


これからは恋人として。





end

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