小説
□俺の中での君は只の犬でしか無い
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数日前衝撃のスキャンダルが俺の耳に入って来た。
スキャンダルの主は同じメンバーの伊野尾慧だった。
セクシー女優とのシンガポールでの密会だとか。
「……こんな騒動になって……迷惑掛けてゴメン」
久しぶりに連絡が来たかと思ったら、予想通りの言葉が投げられた。
ああ…酷くイラつくな……。
彼が話したいことがあると電話して来たから、ちょっと虐めてあげようと思い家に呼んだ。
そしたら、案の定スキャンダルの話題を話始めた。
メンバー一人一人に謝りに行っているらしい。
普段の彼からは想像もつかない程真剣で、どこか悲しげに感じられた。
「……メンバーにも本当に悪かったと……」
いい加減聞くのもうんざりになり深いため息をつく。
俺の溜め息に伊野尾の肩が跳ね上がる。
「……別に伊野尾君だけが悪いんじゃないでしょ?」
再度深い溜め息を吐き出すと、伊野尾の細い身体をベッドへと誘導し、逃げることが出来ないように自分のベルトでその細い腕を縛り上げた。
「た、高木!?…何すんだよっ」
「伊野尾君が悪いんじゃないよ……コレがだらしないだけだから……ね?」
伊野尾の腹部を指先で伝い、中心を撫で下ろし握るように力を込めた。
「っ……ウソ…だろ…」
身体を揺らせ、怯えた瞳が此方を見上げたまま固まる。
「……大丈夫だよ。俺がちゃんとしたセックスを教えてあげるから……他の女なんか抱けない様にしてあげる」
ニヤリとイヤらしく口角を上げると、その黒々とした瞳を掌で塞いだ。
俺だけの伊野尾くんに……。もう、変な遊びを覚えないようにしてあげる。。。。
あのスキャンダルから高木の様子がおかしくなった。
薄暗い部屋の中、重たい目蓋をゆっくりと開いた。
頭がガンガンと痛む。
あの夜、高木に拘束され、自由を奪われた。
薄れ行く意識の中で、今まで見たことがない楽しそうに微笑む高木の顔が霞んで見えた。
「た…かき……何で、、」
掠れた声を振り絞ったがもう、彼の耳には届いて居なかった。
「っ……ふ、」
目が覚めた時には遅く、身体が重く動かなかった。高木によると逃げられない様に睡眠薬を飲ませたとか。
そんな事はどうでも良かった。今の現状に比べたら軽い事に過ぎなかったから。
「……ほら、伊野尾君の恥ずかしい処……丸見えだよ」
高木が俺のケツの肉を左右思い切り開き無理やり指を埋めようと押し当てている。
「ひっ……止めッ」
ひしゃげながら高木に言葉を投げる。
「ッ……な、何で、……こんな……ふ、っ」
自然と涙が溢れる。今は高木が怖くて仕方がなかった。
「…………何で?」
高木の低い声と共にバシッと高い音と痛みが全身を襲った。
「うぁぁ……ッ」
「伊野尾君がいけないんだよ?……女なんかに色目使って……だから頭の悪い女が寄って来るんだよ」
もう一度臀部に激しい痛みが伝わった。
高木に叩かれた尻は赤く腫れ上がりヒリヒリと痛む。
「……ッ……も、嫌だッ……謝るから……ゆ……」
「……伊野尾君さぁ……何にも分かって無いね」
高木は俺が言い終わらない内に言葉を被せてきた。そう、低く冷たい声色で。
そして、まだ解れていないソコに無理やり指先を挿入しグリグリと掻き回す。
「あぁぁッ……イッッ……痛ッ……」
余りにも乱暴に滅茶苦茶に指を動かされ、激痛が脳に響き、蛙を潰したような情けない声しか出せずにいた。
「あれ?慣れてないね……もしかして初めて?」
高木が意外そうな表情で此方の様子を伺う。
「ッ……ば、かッ……初めてッ……に、決まってん、だろ……」
「ふーん……てっきりあの女に開発されたのかと思った……ねぇ、どんな風にされた?」
一度高木の指が引き抜かれ、すっかりと縮こまったぺニスを指先で弄び始めた。
「はははッ……勃ってないね〜。」
指先で先端をぷらぷらと揺らしながら少年の様な笑みを浮かべる高木に苛立ち、きつく睨み付けた。
「当たり前だろ!……男にされても気持ち悪いだけ……痛ッ……」
言い終わらない内にぺニスを力強く握られ、鈴口に爪を立てられた。あまりの痛さに顔が歪み、涙が自然と溢れる。
「……気持ち悪い?でもね、伊野尾君は確実にこっち側なんだよ?分からないなら……俺が教えてあげる」
作り物の笑顔でそう呟くと、高木のゴツゴツとした掌が俺のすっかりと萎えているぺニスを包み込むとゆっくり上下に動かし始めた。
「ッ……嫌だッ……止め……」
目の前で楽しそうに笑う彼は俺が普段知っている高木じゃなくて、まるで別人の様だった。
「あの女にもされたんだろ?ああいう女ってテクニックあるからな……仕事のセックスとやっぱり違うの?」
手の内で徐々に力を変えながら愛撫をされ、段々と形を変え始めたソレを高木が大きく口を開け呑み込んでいく。
「ひぃッ……あ、あ、ッ…………っ」
生暖かいのと、ぬるりとした舌の動きに腰が浮いてしまう。
更に高木が喉の奧まで呑み込み、筋肉を縮小させる。
次第に口の中に苦い味が拡がりびくびくと痙攣しているぺニスを舌先で包み込む。
「あ、高、木……駄目ッ……ダ……メだからぁッ……」
その茶髪の髪をぐしゃぐしゃに掴み、身体全体を大きく揺らし高木の口の中に濃厚な液体をぶちまけた。
「うわ……濃」
高木が口の中に出された精液を手のひらに吐き出し、そのまま俺の後ろに塗り込み始めた。
ツンとした匂いが鼻につく、生暖かい物が指先と共に浸入してきた。
「痛い思いしたく無いだろ?ゆっくりと慣らしてこ?」
その言葉に全身が凍りつく。
「ひっ……嫌ッ……」
高木は嫌がる俺を嘲笑いゆっくりと指を奧まで挿入した。
「ごめんなさ……も、許して……」
涙ながらに必死に高木に訴えた。高木が何を怒っているのか全く分からない。
こんなの只の暴力でしかない。
「許す?何を?」
「俺はね……伊野尾君を壊したいだけだよ」
うっすらと笑みを浮かべ、己の昂るモノを俺の目の前に翳した。
「大丈夫だよ。他の女なんか抱く気が起こらない位……俺で満たしてあげる」
俺は高木が初めて恐いと感じた。
抵抗と云う抵抗は何故かする気が起きなかった。
只、自然と涙が溢れた。
それは諦めなのか、悔しさなのか自分でも分からなかった。
その夜は何度も高木に抱かれた。
その後も何かと理由を付け、抱かれる日が続いた。
夜寝床に着くと、頭の中であの日高木に凌辱(あれは完璧にレイプだった。)されてからずっと自分の身体の奥から出る恥ずかしい音と高木の艶めいた息遣いがぐるぐると廻り、頭が可笑しくなりそうになる。
「ふ、んぅっ……あ、」
それと同時にあの日の熱が冷めず自分を慰める日々が続いた。
「あっ……高木ッ……」
小さく身震いをすると同時に自分の欲を手の内に吐き出した。
肩で呼吸を繰り返し、自分が吐き出した熱を見つめる。
「はは……情けな……っ」
情けないのと悔しさが入れ混じり涙が流れた。
ただ、確実に高木の物にされている。
現実を受け入れ、高木に抱かれる事が日課となって来ていた。
「ッ……はぁ、、高……木……も、駄目ッ……」
コンサート後、高木に呼ばれ、宿泊先の部屋で淫らな姿で高木に抱かれていた。
高木はもう、場所も関係無く俺を凌辱する様になった。
コンサートが始まる前に、アナルに小型のローターを挿入された。必死に拒否したが受け入れてくれる筈もなく、高木の言葉に応じた。
少しでも違うメンバーとスキンシップを取る度にスイッチが入る。しかも、低速で焦らされ我慢の限界だった。
そして今に至る。
「伊野尾君……口開けて?」
そう言うと高木が長い指先を口元に掲げた。
「んッ……ふ、んぁっ」
以前なら頑なに拒絶したと思う。
だが、今はもう、高木に飼い慣らされているのだ。
何もためらいも無く高木の指先に舌を這わせた。
第二間接まで呑み込むと嬉しそうに高木が口を開いた。
「何?伊野尾君……俺の指舐めて興奮した?……それともコンサート中からヤバかった?」
高木が俺のアナルに挿入されているローターのコードを思い切り引き抜いた。
「ふぁぁッ……」
抜ける際にローターが肉壁に引っ掛かり、身体中に電気が走ったかの様な刺激が俺を襲った。
スイッチが入ったままのローターが床の上で小さく跳ねている。
「もう、ガチガチだね……どうして欲しいの?」
俺の舌を指先で弄びながら高木が囁く。
『分かってる癖に……』
早く、高木にめちゃくちゃにされたい。
気が付いたらそんな事ばかり考える様になってしまっていた。
「……も、ッ……高木の……ちん……挿れて……」
俺は恥じる事無く、うつ伏せになり腰を浮かせ高木を誘った。
「はは……イヤらしい」
高木は俺の口内から指を引き抜くと、ひくつく密にゆっくりと挿入しバラバラに動かした。
「やっ……違ッ……指じゃ……無……ふ、」
わざと浅い場所をゆるゆると刺激する高木にもどかしくて切なくて、首を左右に振り高木にを求めた。
「何?指じゃ嫌なの?」
含み笑いを浮かべ高木が耳元でイヤらしいく囁いた。
焦らされ我慢の限界だった。
「指じゃ、なくて……高木のちんこ、、欲しいッ……早くッ……」
高木の胸元に顔を埋め身体をすり寄せた。
「伊野尾もすっかり女の子みたいに淫乱になったね」
高木が悪戯っぽく笑う。
「良いから……早くッ……」
焦らされ過ぎて頭が狂いそうだ。早く全てを埋めて欲しい。
再度高木が俺を仰向けにさせ、勢い良く己の欲を挿入して来た。
「はぁぁぁッ……急、にッ……」
容赦なく突かれ、呆気なく白濁汁を吐き出してしまった。
「おいおい……まだ挿れたばっかりだぞ……そんなになっちゃってこの先心配だな」
お前が言うな!と心の中で暴言を吐いたが今の俺にはそんな余裕はなく、必死に高木にしがみつくしかなかった。
「あっんぁ……や、イッたばっか、だからぁッ……」
達したばかりで敏感になっているにも関わらず、高木はガンガン深い所ばかり突いた。
高木の動きに合わせカクカクと身体が跳ね上がった。
「あ、んぅっソコッ……も、とッ……は、ぁんっッ……」
だらしなく涎を垂れ流し喘ぐ俺の顔を見つめ、高木は自分の唇を重ねてきた。
俺は高木とのキスが一番好きだ。
セックスは乱暴なのに、キスだけは優しい。
互いの口内からは水音が漏れ、耳に響いた。
「ね?言っただろ……伊野尾君はこっち側なんだよ……」
低く、ゆっくりと高木が囁く。
「伊野尾君に近付く悪い虫は俺が追い払ってあげる……だから俺だけ見てろよッ」
更に激しく腰を打ち付け、きつく抱き寄せられた。
「あぁッ……高……木ッ……イクッ……出ちゃッ……ん、」
前立腺を擦られ、2度目の射精をしてしまった。
それと同時に高木も俺の中で達した。
熱い液体が溢れ出し、内腿を伝いシーツに染みを作った。
浅く呼吸を繰り返していると高木が軽く唇を重ねて来た。
「……好きだよ。」
優しく抱きしめられ耳元で囁く。
高木と身体を合わせた後は必ずそれをされる。
そう。
見えない鎖で縛られているのと同じ。言葉と云う首輪を付けられ、それに応じてしまう自分にもはや希望等は無いだろう。
高木と云う主人に着いていくだけの存在。
只の犬でしか無いのだから。
この先も……
ずっと。
end