おつまみ

現】――氷――
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部屋で酒を呑んでいた。

隣にはご機嫌なお前。
へらへらと楽しそうに笑って、もう俺なんて見ちゃいない。
いいさ、お前が楽しそうなら。

手元を見れば減っていない俺の酒。
俺も少し酔いたい気分だ。グラスを傾けると、そんなつもりはなかったのに、口の中へ氷が一つ滑り込んだ。

冷たい。

この瞬間を、どうしてだかお前は気が付いた。
目が合うと、顔を真っ赤に染めて逸らす。
何を想像したんだ、確かめたくなるじゃないか。

「おい」と振り向かせたいが、如何せん氷が邪魔だ。

俺は細い肩を掴んで、強引に押し倒した。
何をされるか分かったようだな、だが期待しているんだろう。

間近で見るお前の瞳に俺が映っている。
ククッ、俺はこんな卑しい顔をするのか。
まぁいい、全てお前のせいだ。

服に手を掛けると、お前は体を硬直させた。
だがまだ早い、ビクつくのはこれからだ。

氷を咥えると俺の体温で溶けて雫が一つ、お前に落ちて肌を伝った。

いいな、またお前が弾んだ。
さぁ、もっと見せてもらおうか――
 
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