斎藤一京都夢物語 妾奉公

□2.身体検査 ※R18
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斎藤と土方を残して男達が部屋から出ると、途端に妙な静けさが広がった。
それほど広くない部屋に布団を敷き、大の男が周りを囲んでいたのだ。
急に人が減り男達の体の下に隠れていた畳が見えると、部屋はやけに広く感じられた。

障子の向こうでは、出て行った男達が並ぶように胡坐をかいて座っている。
中の様子を探ろうと聞き耳を立て、必死に静寂を保っていた。

何の技能も心得もない夢主にもその気配が嫌でも伝わってくる。
身を案じているにしろ下心にしろ、皆がこれから起きる出来事に関心を持っているのだ。
沢山の気配に、目は無くともまるで見られているような恥ずかしさを覚えた。

「おい斎藤、その布団が邪魔だ。ちょっと片付けてくれ」

「・・・分かりました」

土方に言われ、斎藤は手際よく部屋の隅に布団を積みあげた。
これから取調べをする為の場所を作っている、そう思うと夢主はますます緊張した。

「さぁ、女。さっさとしろ。脱げ。それとも鬼の土方にして欲しいのか」

土方は先ほどの呟きを根に持っているのか、嫌味が込められている。
体の上を動く視線に夢主の顔は赤らんだ。

「じ、自分で、出来ますから・・・」

思わず服の上から両手で胸元を隠してしまう。力の限り土方を睨んだ。
そんな夢主の脇を通り抜け、布団を片付けた斎藤が土方の隣へ戻った。

夢主は覚悟を決めると二人に背を向け、ワンピースの背にあるファスナーを下ろし始めた。

初めて見る着物に興味津々の二人だが、冷静さを失うまいと腕を組み、唇をきつく閉じている。
上から下ろし始め、届かなくなると今度は下から手を回す・・・不自由な仕草に斎藤はつい横目で土方を確認した。
土方は瞬きもせずに見ている。既に夢主から目が離せずにいた。

少しでも刺激しないように後ろを向いた夢主だが、慣れない光景が男達に昂ぶりを与えてしまった。
土方も斎藤も体の熱が一部分に集まり始める。

・・・これは・・・なんとも・・・

斎藤は思わず心の中で呟き、再び無言で土方を見た。
同じ事を思ったらしく二人は目が合うが、何事も無かったように揃って夢主に目を戻した。

ようやくファスナーが下がりきると、ワンピースは一気に床へと落ちた。
もどかしさからの急な展開に、二人の胸がドクンと大きく脈を打つ。
軽い音を立てて落ちたワンピースは、夢主の自由を奪うよう細い足首に絡みついて見えた。
 
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