まかない飯
□明】錦の女絵、悋気応変
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「一さん・・・」
自分を見下ろす斎藤の目に浮かぶ昂りの色。
枯れ茶色の瞳が恐ろしく鮮やかに輝いていた。滾る色は男の欲だけではなく、慈しみや愛情ではない熱が黄金に燃えている。
悋気で炙られ続けた想いは黒い塊に、愛慕の成れの果てへと化していた。
お前の全てを支配し我が物に、余所へ気を向ける余裕など奪ってやる。
俺で満たされる姿を晒せ、何も望まぬと俺だけにせがめ、請えばいい。
俺だけから与えられる現実を啼いて請うまで赦しはしない。
「夢主」
「ふぁ・・・何を、一さん」
転がる妻に手を掛けて、仰向けたと思ったら容赦なく己を挿入した。
「俺だけだと訓えてやる、お前に嵌るのは俺だけと、その厭らしい声も顔も俺の為にあると」
「んぁあああっ、はじめさっ・・・・・・」
「俺がいいと言うまで啼け」
「・・・っ、ゃぁああっ、やぁ、急になにっ・・・あぁっ、やだ、激しいよっ、やさしく・・・んぁあっ、やぁ、ゆっくりしてっ」
充分濡らしてやったんだ、今更手加減もいらんだろう・・・・・・
優しさの消えた声が低く響く。
悲しいことに低く響くその声が夢主の体をより過敏にする。
駄目と嫌がる姿を見て、斎藤は突き上げを強めた。体の奥を抉る感覚、深い動きに夢主の目には涙が浮かんでいた。
お前は抱かれているんじゃない、犯されているんだ、分かるか・・・・・・
顔を寄せて囁くと夢主は必死に首を振った。
「お前は望めんのだ、俺以外、俺の仕打ちに従って喘げばいい」
「やぁあっ、つよすぎてっ、ぁあんんっ、や、奥がっ、きちゃぅ・・・ふぁあっ、すぐ・・・きちゃ・・・」
「早過ぎるぞ」
「ひぁああっ、だって・・・あぁぁっ、はじめっ、さんがぁ・・・ぁあんっ」
「俺のせいか、全て俺が悪いのか、どうなんだ」
「ちがぁっ・・・んあっ、ぁあっ、ちがぃっ、ま・・・んんんっ」
斎藤は強引に夢主を絶頂に導き、脱力させた。
「俺に感じて俺に善がれ、お前は俺の女だ」
「はぃ・・・夢主は・・・はじめさん・・・の・・・」
己の冷静さを見せつけ、一人先に果てた夢主を見おろす。
斎藤は硬いままの己を引き抜いた。無論このまま終わらせるつもりはない。
「すぐに達するお前はどうなんだ、他の男の前でも達して見せたのか」
「そんな・・・してません・・・だれとも、はじめさん・・・だけ・・・」
「本当か」
「ほんとうです・・・しんじて・・・」
「そうか。一番正直なお前に訊いてみるさ」
「ふぇ・・・」
斎藤はおもむろに夢主の体を返し、背後から包むように覆いかぶさった。
耳元に熱い息をあてると小さな白い体がふるっと震える。
「お前の体は正直だ」
再び一気に体を貫くと、夢主は背を反らして仰け反った。
快感に反応し盛りの付いた猫の様に尻を突き出すが、すぐに体を崩してしまう。
それでも斎藤は容赦なく打ち付けた。
「ひぁあんんっ、はじめさっ、だめぇえっ」
「変わっていないか確かめてやる、お前の体がどこかの阿呆に侵されていないか、とことん犯して確かめるさ」
「ゃぁんっ、すぐ・・・だめ、またイっちゃふ・・・ふぁ、ぁあんんっ」
「逃げるなよ」
夢主は畳についた腕で這い少しでも離れようとするが、斎藤の骨ばった手が引き戻す。下がった尻は持ち上げられ固定されてしまった。