斎藤一京都夢物語 妾奉公
□2.身体検査 ※R18
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胸と陰部、僅かに身を隠しているのはキャミソールと良く似た揃いの下着。
艶やかなサテンの白地に花のレースがあしらわれる。
「てめぇ、こいつは・・・なんて・・・・・・」
「妖艶な・・・」
言葉を失った土方の後に斎藤が続いた。目を奪われた二人は僅かな間だが目を点にして、悩ましく体を隠す夢主を見つめた。
見た事も聞いた事も無い、形も作りも素材さえも初めて目にする物だ。
それでいて惹き付けて止まない妖しく艶やかな拵えの何か。
「てめぇ、遊女か?!異人向けの遊女じゃねぇのか?!」
「ち、違います」
夢主は少しだけ顔を上げ、土方を睨んで静かに答えた。
どうすれば信じてもらえるのか、どれだけ反論しても今は通じそうにない。
ただ大人しく従い、この取調べを無事に済ませるしかなかった。
「確かにこの状態で客の相手は無理でしょう。生娘もいいところだ」
生娘。
憧れの斎藤に堂々とそんな言葉を浴びせられ、頭が真っ白になる。
実際どうなのかは自分でも思い出せないが、今の状況を考えるとそうなのだろう。
「なんだ、それは。その・・・乳を隠しているやつだ。手を除けろ」
土方は夢主の胸元を指差した。
・・・乳って!土方さん・・・ちょっと下品・・・
夢主は思い描いていた印象と異なる土方に困惑した。
厳しくて普段は怖いけれど、本当は優しくて温かい・・・そう憧れていた。
「これは・・・ブラジャーって言います。未来の・・・後の世の肌着で、大人の女性はみんな着けています。特別な物じゃありません・・・」
夢主は涙目ながら、ムっとした。
「分かったから手を除けろ。見えねぇ!」
最早体よりも下着を見たいのだ。土方も段々必死になっていく。
腕組みした手を解き、癖なのか先程と同様左手で顎をいじり始めた。
夢主は手を胸から外すとどうして良いか分からず、自分の肘をもじもじと触っている。
土方は暫く見て満足したのか、不意に鼻をならした。
「フッ。いいぜ」
・・・終わった!良かった・・・
夢主はそう思った。
「中だ。中に刺青を隠してねぇか、見せてみろ。乳と、下もだ。腰履きみてぇなちっこぃ三角布の中も見せろ」
全てを外せという命令。
予想外の指示に眩暈を感じる夢主、これ以上は耐えられなかった。