†テイルズ長編夢†
□出会い
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……………………どうしよう
疾風の頭の中にはそれしかなかった
(家に連れて来て良かったのかな…いやいや、でもあんなところに倒れたままでいけないだろうし…!)
一人悶々と頭を抱え込ませ自分のベッドに横たわっている人物に目をやった
(……本当に夢の中の人にそっくりだな…)
そう思いながら男の顔を覗き込んだ
(………生きてるよね?)
口元に耳を近付け耳を済ましてみると
息をしている音が聞こえた
「良かった…生きてた」
ほっと一安心していると…
……………ぐぅー
「…………夕飯、食べてないや」
自分の腹時計が空腹を知らせた
「冷蔵庫に何かあったかな?」
男を寝かせたままキッチンへと向かう途中で、ふと当たり前の事に気付く
(今更だけど……この人、危ない人じゃないよね…?)
身に危険を感じ始めた疾風は、最悪包丁を持ってれば対処出来るか等と言う答えに辿り着き、キッチンに足を進めた
…………………………
……………
「……うっ」
(頭が……回らねぇ…)
暗闇の中、目を覚ました男は自分の額に手をやり意識が覚醒するのを待った
(俺は……確か…アイフリードを探してる最中に…光がバンエルティア号を襲って…その後どうなった…?)
頭が覚醒し始めた男は現状を理解しようた周りを見渡した
(……此処は、何処だ?)
見たことのない物ばかりで男は自分の置かれている状況が理解出来なかった
(聖寮の施設か何かか…?いや、それにしても知らねぇもんが多すぎる…)
ベッドから起き上がり辺りを散策しようとし、あることに気付く
(っ!?俺の……コートがねぇ!)
男は自分が纏っていた黒いコートがないことに気付き焦りを感じ
(賊の類いか!?…っち!俺としたことがっ!)
コートを探す為、辺りを物色しようとしたその時
(!?…人の気配……こっちに来る…)
そいつをとっ捕まえて吐かせるか
そんな事を考え、ドアの死角に身を隠し、近付いてくる足音に息を潜めた