†テイルズ長編夢†
□予兆
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「おっはよー!疾風!」
「あ、おはよう凛」
会社に着いた疾風は友人の凛とロッカーで出会し挨拶を交わしていた
「なになに?何か、顔色悪いけど何かあったの?あ、もしかしてフラれたとか?」
「あほか。違うよ」
なぁ〜んだっと凛はつまらなそうに肩をがくりと落とした
「って言うか、あたしに彼氏が居ないの知っててそれ言う?」
「うん!」
「ムカつくな!おい!」
あははは!と笑い合いながら各々仕事場に行く準備をしていた
「で、実際何があったの?」
既に支度を終えていた凛が聞いてきた
「……絶対笑うから言わない。寧ろ、馬鹿にされる」
「しないしない。だから、言いなよ。仮にも友達でしょ?」
うぅ…と少し複雑そうに考えた結果渋々と打ち明けることにした
「夢……見たんだ」
「夢?」
「うん。あたしが死んで、あたしの事を抱き抱えて泣いてる男の人が居たの…」
疾風は伏し目がちにそう言葉にした
「その夢がただの夢に感じなくて…何処か懐かしく感じて……」
「ナイーブになってたと?」
「………うん」
ふーん……と凛は然程興味を持たさそうに返事を返した
「前さ、テレビだったかな?何かで見たんだけど、前世の記憶ってたまに夢に出てくるらしいんだよね」
「前世?」
あまりに突拍子もないことを言われ疾風は目を丸くして友人の話を聞いていた
「そう。前世の記憶の夢は普段見る夢と違うみたいなんだよ。デジャヴを感じたり、心が締め付けられるようになるんだって」
「心が……締め付けられる…」
「もしかしたら、あんたのそれ…前世の記憶ってやつじゃないのかな?」
そう言われた瞬間、疾風は言い逃れの出来ないような感覚に襲われた