†テイルズ長編夢†
□予兆
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「なぁ〜んてね♪そんなことあるわけないない!」
「そ……うだよね…も、もう!止めてよ!そう言う冗談凛らしくないよ!」
「ごめんごめん!ほら、変なこと言ってないでさっさと行こう!遅刻しちゃう」
「うん、そうだね」
(……何だろう、さっきの言葉…凄く胸の中にすとんと落ちた気がした…)
疾風は複雑な気持ちを抱えたまま仕事に集中する為頭を振って気合いを入れ直し、凛と共に仕事場に向かった
……………………
…………
「……って!今日何でこんなに混んでんのよー!!」
「口を動かす暇があるなら手を動かせ!」
凛が文句を垂れながら仕事をこなしているとそこへ上司の男がやってきた
「あ!月島さん!丁度良いところに!手伝って下さい!」
「断る。それぐらい一人で出来るだろ」
ケチー!鬼ー!と凛が月島に向かって暴言を吐いてるのを当の本人はガン無視
そして、疾風に近付いて声を掛けてきた
「……?あの、何か?」
「体調が悪いのか?顔色が悪い」
そう指摘され咄嗟に問題ないと答えた
「……無理はするな。今日は……俺と同じ上がりだろ?送ってく」
「え!?い、いいです!大丈夫ですから!」
「えぇー?いいじゃない、送ってもらいなさいよ〜♪」
「凛!!」
ニヤニヤしながら言ってくる友人に多少の怒りを覚え、強く名前を呼ぶと惚けたように怖い怖いと言いながら機嫌良く仕事に戻っていった
「じゃあ、18時に門を出たところにいる」
「え!あの!」
そう言い残すと月島は自分の持ち場に戻っていった
(……はぁ、あの人…少し苦手なんだよな)
疾風は凛から月島は疾風に好意を寄せてる!と言われていた
疾風にとって月島は良い上司であってそれ以上になろうとも思っていなければ、なりたいとも思っていなかった
(気遣いが出来て、見た目も悪くないけど……好みじゃないんだよなぁ…女ったらしっぽいし)
はぁ…と溜め息を付きながら帰りの憂鬱さに頭を悩ませながら仕事に専念することにした