†テイルズ長編夢†

□出会い
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「うーん……お粥とか食べるかな?」

疾風は一人悩んでいた
自分の分は簡単に済ませるとして、もう一人の人物の分はそうはいかないと思い、困り果てていた

「どうしてこう言うときに冷蔵庫に何もないのかなぁ…あー!!自分の馬鹿ぁあー!」

冷蔵庫の中には物の見事何も入っていなかった
精々あるとしても卵と梅干し

「倒れてたし、病み上がりだからお粥とか消化に良いのが良いよね!うん!そうだ、そうしよう!」

梅干しがあるから梅粥にしよう
そう決心し、鍋に米と水を張り中火で煮込んでいる時…

…………ギシッ

(っ!?)

寝室から物音がし、ビクッと肩を震わせ寝室を見た

(…………起きた…のかな?)

疾風は生唾を飲み込み片手に包丁を持って、震える手を抑え込み寝室へ足を進めた

(いきなり襲ってきたら正当防衛だし、あたしは悪くないよね)

腕には自信がある為、うんうんと一人納得しながら寝室の前に立った

ゴクリと喉を鳴らし寝室のドアノブに手をかけ

バァンっ!?

一気にドアを開け辺りを見渡した
するとドアの死角から大きな黒い影が彼女を襲う

「っつ!?」

「動くな」

男は疾風を押し倒した

「っつ!はな…して下さい!」

「駄目だ」

(っつ!?この人、力強すぎ!)

男が押さえ込んでる手に力をいれるとあまりの痛さに苦痛の表情を浮かべた

「助けてあげたのにこんなことするんですか!?」

「頼んだ覚えはない」

(こ、のっ!ふざけんな!)

いきなり押し倒されて、こんなことを言われては頭に来ない程疾風は人間が出来ていなかった

「甘く…見ないでよね!」

「!?」

疾風は足で男を蹴り上げた
いきなりの反撃に対処できなかった男はベッドの縁に吹き飛ばされ

「ってぇな…」

「ひっ!」

ドスの聞いた声と目で疾風を睨み付けた

「い、いきなり襲ってくるからいけないんですよ!」

「あ?片手に包丁持った女が何を言ってやがる」

「そ、それは…貴方が悪人だったら対処出来るように持っていただけで…と、とにかく!話を聞いてください!」

「それは好都合だな…俺も話をしたかった…が、素性のわかんねぇ奴と冷静に出来ると思うか?」

何て理不尽な!それはこっちも同じだ!と思いながらも目の前の戦闘体制を解除しない男にどう穏便に話をしようか考えていた

………………………その時


ピーーーーー!


場の雰囲気を壊すような機械音が二人を包み込む

「あーー!?!?」

いきなり叫びだした疾風に男はビックリして突如走り出した彼女を見送っていた

「……何なんだ」

そう口にした男は一人残された部屋で呆然としていた
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