幽/遊/白/書

□9章 幽白
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「はじめまして、雪菜と申します」

私達は船の上で潮風を浴びながら、自己紹介をしていた
昨日まで命を懸けた戦いをしてたなんて嘘のように穏やかだ


「名字 名前です、よろしくね」

「雪菜ちゃんはねー、氷女なんだよー」

ぼたんちゃんが、雪菜ちゃんの肩に手をおきながら紹介してくれる

「そうなんだー!・・・・ん?氷女って?」

「ガクーー!名前ちゃん!あんたも仮にも妖怪だろー?」

いや、妖怪といっても村からあんまり出たことが無かったからな〜

有名な妖怪とかは知ってはいるけれど

「名前、妖怪だったのかー!?」

幽助と蔵馬、そして飛影が船の中のエントランスから外に出てきた
風が出てきたのか、風が髪を巻き上げる

「ひどいよ〜幽助、私のこと小さい子供の人間だって思ってたのー!?」

ほほを膨らませながら怒ってみせる
幽助は笑いながら、私の頭をぽんぽんと叩く

「いやだってよー初対面のときなんてこんな小さかったんだしよー」

酷いなー私は抗議の目をしながら、幽助を見上げる

「確かに、名前は子供っぽいですからね」

蔵馬までー!?私は肩を下げうなだれてしまう

「私は名前さんは、大人っぽいと思いますよ」

雪菜ちゃんが、優しく私を慰めてくれる
この子は優しいなー!
おもわず、私は雪菜ちゃんの両手を握ってしまう

「ありがとねー!雪菜ちゃん!」

そして、私は雪菜ちゃんの顔をじっと見つめる
赤い瞳・・・・そしてどことなく似てる

「ど、どうかしましたか?」

「似ているんだよねー・・」

「誰にですか?」

可愛く小首をかしげる雪菜ちゃんを尚、見つめる
胸が酷く早鐘を打っている

…………これは恋かな?

「ひ・・」

私が飛影と言おうとした瞬間に、私の口が誰かの手によって塞がれていた

「モガモガ!」

その手を外そうにも、案外頑丈ではずせない

というか、なんで飛影が私の口を塞いでいるの!?

訳が分からなくなり、蔵馬や幽助を見ても何故か、焦っている表情をしている

「ちょっ、ちょっとこっちに行きましょう!」

蔵馬と幽助、そして私の口を塞いでいる飛影に船内へと連行される

もっと、雪菜ちゃんとおしゃべりしたかったのにー!
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