ハ/ン/タ/ー/ハ/ン/タ/ー

□2章 ハンター
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主人公組が登場する頃には死んでしまっているだろうと考えている時期もありましたよ……
でも、今じゃあハンターハンターの物語はきれいさっぱり忘れてしまった
何故って?そりゃあ年月のせいですよ
実はもう今は1960年……初めてこの世界に降り立ったのが1885年だから……

75年が経過している
そして24歳の時にこの世界にきたからプラス75年で99歳になるはずなのだ
普通はこの年齢ならば、こんな計算も出来ないはずなのに
私はスラスラと出来てしまっている

鏡を見ながら私は顔をペタペタと触る
シワもない……肌もピチピチ
腰も曲がっていないし、念だって衰えていない
いや、逆に増しているかもしれない

どうしよう……老けない!!

「念のせい?」

いやでも、流石のネテロだっておじさんの風格になっているし
ちなみにネテロは今はハンター会長にまでのぼり詰めた
お茶をすすりながら和菓子を一緒に食べたことは記憶に新しい

まさか、ハンター世界に来て最初に食べた不思議なリンゴのせいで不老不死になっちゃったとか!?
それなら合点がいく

頭を抱えつつ私は紅茶をのみ、落ち着かせる
いや実は、私の体が不老不死になってしまったんじゃないかという疑惑の事件が、私が30歳………この世界に来て6年が経過したときに起きた

あの時はいつものように施設で子供たちと遊んでいた
するといきなり男が乗り込んできたのだ
その男は黒髪の20代くらいの普通の……本当にいたって普通の男だった

施設の敷地に入ってきてしまっているので、流石に注意しようとしたら、いきなり男が私に刃物をつきたててきたのだ

至近距離で刃物を素早く振り上げられたため避けられなかった
いや、普通の攻撃であればこの距離でも避けられただろう
でも、男は念能力者だったため避けることが出来なかった
そして、その刃物の軌道は私の首すじ目掛けて降り下ろされた

それは、首すじに刺さり血がとめどなく流れていく

「貴方……なにしにここに」

「人間って美味しいんだよね……特に子供の肉は特にね」

この男は危険だ

今は施設にいる大人は丁度私しかいない
だから、私一人でなんとしてでもこの子たちを守らないと……私はその一心で男に殴りかかった

一発顔面に当てることができたが、硬でガードしたらしくダメージを与えることが出来なかった

そしてとめどなく首から流れる血もあいまって力がでない

「残念だったな……」

そして男が一瞬にして消えてしまった
何処にいった!あたりを見渡しても何処にもいない

男は子供達の所にいた
それを認識した瞬間、私は足にオーラをためて男の背後から拳を振りかざすが、男によって止められてしまう

「あんた邪魔……これから食事なんだから」

子供たちには指一本触れさせない
その一心で私は男を力付くでおさえこむ
でも、それがいけなかった
なんでもっと冷静にならなかったのかと今になって後悔している

まぁ、無理もないか……子供たちが危険にさらされている……それだけでも私がぶちギレる要因がある
それに、まだこのときは念の扱いが上手ではなかったからこそ、私は呆気なく男に捕まってしまった

「いいや、じゃあお前から喰ってやる」

そう言うと男は私を地面に押し倒し、首に刺さっていた刃物を抜き去ってしまう
そこから血が噴射して私と男の体に降り注ぐ

「たまんねぇーなー!!
んじゃ頂くとするか!」

男は私の首に口をつける
そして、私の首を獣のように食いちぎる
これは死んだなと思いつつも、頭の片隅ではどうやって子供たちを守るか考える

「なんだよっこれうめぇっ!!
子供なんかより………いや、今まで食ってきた人間の中で一番うめぇよ!もっと食わせろ!」

男は私の首から肩にかけて食べ始める

私はそっと自分の首に刺さっていた刃物を手探りで探す

カツンと右手に血で塗れた刃物が私の手の中におさまる

それを男の背中に思い切りさすが、それでも男は食事に夢中なのかまったく動じない
ここまで食べることに夢中ならば硬もできないはずだ
私はありったけの力を込めてボディをきめる

すると無防備だったためか、男はよろけながら後ろへ倒れる

「くっ……まだそんな力を残してたか……でももうそんな体じゃあ俺を倒すこともできねぇだろ」

私はよろけながら立ちあがり、男を睨み付ける

血を止めなければと思い首を触ると、そこは既に傷が塞がっており綺麗になっていた

「おい、なんだよそれっ
化け物かよ」

男は驚愕しながら私を見据える
今なら倒せる
私は瞬時に男の前に立ち、拳を振り上げる

男の顔面を殴り、男は吹っ飛ばされる
それでも男は立ちあがり私を見てニヤリと笑った

「フッフッ……おまえのかお……覚えた…………いつか……おまえを捕まえて……喰ってやる……」

そう言って男が去ってから、その男は来ていない
諦めたのか……それとも強い仲間を集めて私を捕まえようと企んでいるのか………
それか、あれから70年以上も経過しているから寿命で亡くなったか………



まぁ今考えてもしょうがないかと思い、今朝届いた郵便物の中にある沢山の結婚報告の手紙を読む

私が建てた施設は今や100以上になり、今やマザーキスという名の会社にまでなってしまった
この名前の由来は私が施設でキスをしているからということでつけたという安直な名前
でも、私自身気に入っている名前である

その為、沢山ある施設出身の子供たちの結婚報告の手紙をみつつ、私は今までの人生をふりかえる

施設に最初で働いていたお兄さんやお姉さんは既に亡くなってしまった

あのときは本当に号泣したな……
また、あの四人で修行とかもっとしたかった

涙で結婚報告の手紙がにじんで見えてくる
手の甲で目を擦りながら立ち上がる

「結婚……か」

いままで、本当に必死になって色々なことをしてきた

少しはそういう色恋にも触れた方が良かったかな?
まぁ、ネテロからは実はずっと結婚しないかと言われ続けはや70年……

最近ではネテロも結婚しないかとは言わなくなった
それが悲しいようなほっとしたような、複雑な気持ちを抱きながらネテロと会っている
いや、これでいいのだ

それに、私と結婚しても必ずネテロの方が先に亡くなってしまう

それだったら、私は最初から一人を選ぶ
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