ジョジョ

□9章 ジョジョ
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<ジョセフside>


毒入りリングが無くなっていると発覚し、早くも1ヶ月が経とうとしている

「もう、一ヶ月か・・・・本当に毒入りリングがねーみてーだな」

「そうだね、あったらジョセフ今ごろ、ぽっくりしてるもんね」

笑顔でいいのける名前を見ると、たまにこいつが怖くなるぜ

「言い方は可愛いけどよ、それ結構えげつねーよな」


「でも何はともあれ、よかったよ
じゃあ今日はどうする?出かける?」

丁度こいつも休みだしな
どこかに行くとなると、今日はうってつけだ

「おう!いくいく!!で、どこに行くんだ?」

だいたいは名前の仕事場の周りのカフェとかしか行ってなかったからな

「…………考えてなかった、どこにいこっか?」

頭をポリポリかきながら、オチャメに言うこいつの頭を1発軽く殴った

「ちょっ、痛いよージョセフ!私の頭がバカだからってそのくらいじゃ治らないよ」

そういう意味で殴ったわけじゃねーよ!
本当にこいつはバカだ

「ちげーよ!こんくらいで治るなんて思ってねーよ
じゃなく、どこに行くんだって話だ」

俺はここら辺のこと知らねーしな

「じゃあ・・・・・・映画館とかに行ってみる?」

映画館?まぁそれなら俺の時代でもあったからな
それなら別段珍しくねーが

「いいぜ、ほれさっそく行こーぜ」

珍しくはないが、内心楽しみだ
どんな風に変化してんだろうな





建物がたくさん並ぶところに来た
そしてそこには鉄道、列車など様々なものが、俺がいた時代とは形を変えてそこにあった

「すっげー・・・・」

「でしょー!今では電車っていうんだよ?」

横で誇らしげに言う名前に、お前が作ったんじゃねーだろと、ツッコミたかったが、今はそんなことより目の前にあるものに興味がそそられる

「じゃ、映画館に行こっか?」

一際大きい建物の中に、名前が入っていった
それに続くように俺も中に入った

「あ、そうだ!」

いきなり止まるもんだから、名前の背中に衝突してしまった
ってかいきなり止まるやつがあるか!

「なんだ?」

それよりも俺がぶつかったってーのに、名前はけろりとした表情で後ろを振り向く
こいつ意外とやるな・・


「珍しいからって映画館で騒いじゃダメだよ?周りの人の迷惑になっちゃうからね?」

名前は少し背伸びをして、指を立てている
さながら小さな子供に注意する、お姉さんのようだ
いや、実際お姉さんなんだけどな

「俺はガキかなんかか・・・・名前こそ、おとなしくしてろよ〜」

「私はジョセフより、年上でお姉さんなんだよ?そんなの朝ご飯よ!」

「いや、それを言うなら朝めし前だろ・・」

「朝めし前だと、お腹空いちゃうよ?」

おい、どんだけバカなんだよ、こいつは……
本当にこいつが年上だということを、忘れてしまいそうだ
いや、実際見た目も幼いしな
子供のようなクリクリした目で、プニプニしたほっぺ
全てが幼い・・よく今まで生きてこられたな

「へいへい、そーだな・・・・腹へる前に早く映画見に行こーぜ」

俺は名前を追い抜かし、先を歩く

「そーだね!って、ジョセフー場所わかるの?」

知らねーけど、いつかはたどり着くだろ
適当に歩き続ける
その後ろを、ひよこのようについてくるそいつを見て、ほくそ笑む
こういうところは可愛いんだよな・・
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