グリチネ

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優愛side

次の日学校につくなりすごく視線を感じるような気がした。
え、私なんか付いてるかな?
でもそんなのいいや。
今日の私はとても機嫌がいい。
なんたって幼なじみの万里と話せ、なおかつ連絡先まで聞けたんだから。機嫌が良くならないわけがない。

この感謝を早く親友天馬に伝えたいのに天馬様は午前は撮影でお休みで5限から来るそうだ。
5限からってほぼ休みじゃん。
でも5限からしか行けなくてもきちんと学校に来る当たり真面目だな。
そういう所が好感度高いよ、ほんと。

席について授業の準備をしていたら友達の明日香が話しかけてきた。

「あんたすごい噂になってるよ」
「なにが?」
「花学のヤンキー先輩」
「あ、万里?」
「どーゆー関係?」
「あー、実はずっと話してた幼なじみなの」
「え?あの人の気持ちが全然分からない幼なじみ」
「なにそれ(笑)普段はそんなんじゃないよ。昨日だって優しかったし。」
「でも花学のヤンキーって言えばうちの兵頭さんとめちゃくちゃ仲悪いよ」
「え、兵頭さん?」
「ほら、3年の身長高くて怖めな……
あ!あの人」
そう言って彼女が指した方を見たら一方的にだが見知った顔がいた。

私のバイト先の常連さんでパンを沢山買ってくれる。そして絶対クリームパンを買ってく人!
個人的にはすごく優しくて可愛い人ってイメージの方が強かったから喧嘩するって言われる方が私にとっては意外だった。
いやでもあの万里ですら今や不良だからなー。最近の子は分かりませんな。

「でも花学での噂が次の日にO校で広まるって万里すごい有名人なんだね」
「んーまあそうだね(あんたがそもそも有名人なんだけどね)」

視線を感じてたのは万里のことか。ただでさえカッコよくて目立つのにヤンキーやってるからまあそりゃあ有名か。

「あ、でも幼なじみに会いに行ったってことは仲直りしたんだ?」
「んー、そうなのかな?とりあえず連絡先は聞けたからもう満足してる。」
「満たされるの早すぎ(笑)」
「5年間交流皆無だったから連絡先なんて聞けたら大進歩過ぎてびっくりしてるくらいなんだから。」
「ふーん。でもよかったじゃん。」
「ありがと!
あ、美味しいケーキがあるカフェ見つけたから今度行こ!」
「うん!」

そのカフェは昨日幼なじみと行ったカフェのことだ。
ほんとに美味しかったから明日香とも行きたい。それにしても万里はほんとに趣味がいいな。
5年間離れてたけど、どんどんカッコよくなってたなぁ。
これから私たちが昔のように仲良くなるかは分からないけれど、せっかく話せるようになれたから少しでも昔みたいになんでも話せる関係に戻れたらいいな。




そんな少し浮かれた気持ちでいたらお昼が終わりお昼休みになり、天馬が学校に来ていた。

「天馬ー!昨日ね幼なじみと話せたよ!天馬のおかげ!ありがとう。」
「まあな、俺のアドバイスがあれば当然だな。」
「ふふ、さすが!5年ぶりに話したけどやっぱり数少ない心許せる友達だからすごい楽しかった」
「良かったな」
「あ、もちろん天馬もその数少ない心許せる友達の1人だからね」
「え」
「天馬ありがとう!」

ちょっと照れてそっぽを向いている天馬はほんとかわいい、推せる。

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