読み物
□没集
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承太郎にジョナサンが一時的に憑依してなんやかんやでDIOとジョナサンで感動()のシーン。↓↓↓
「ジョジョ……」
「気づいてくれたね…ディオ」
容姿こそ違う。ジョジョはこんなに黒髪ではなかったし体格も顔つきも根本的に色々違う。だけど、承太郎はこんな風に笑わない。慈愛に満ちたその微笑みは私の___俺のあの頃見ていたジョジョそのものだった。
「キミに何か声をかけてあげたかったんだ。でもキミ、すたんど?は見えても僕の事は見えないみたいだから。ちょっとばかし承太郎を…ね」
「怒られても何もフォローはしないぞ」
「あはは、まさか承太郎は見えるなんて想定外だったよ」
何故か承太郎には見えた。様子がおかしいとか何故かジョジョの事を頑なに言わなかったがあれは私を気づかっての事なのかは承太郎のみぞ知る。
それにしても、承太郎の顔でそんなに優しそうに笑われると少しばかりむず痒い。拭えぬ違和感はあるがやはりジョジョなのだ。
言葉を発するその声すらも、威圧のある承太郎よりも幾らか軽い。
「もしかしてキミが僕の事を引きずっているんじゃないかなぁって」
「マヌケめ。引きずっているのは貴様だろう。こんな所まで化けて出てくるなんてな」
「そうかもしれない」
呟くジョジョの顔は少し暗い。違う、そんな顔をさせたかった訳じゃあないんだ。
「僕が知らない所で、泣いたり辛い思いをしてるんじゃないかなんてね。意外と意地っ張りな所あるだろ、ディオって」
「DIOだ」
「でも安心したよ。承太郎にならキミの事を任せれるしね。うん、キミも幸せそうでなによりだもん」
「…幸せなんぞ俺は知らん」
未だに馴染まない身体の星痣がじくじくと痛む。堪らず指先で押さえてどうにか収まれと言い聞かせた。疼きは止まらない。
痛いかい、と苦笑いをするジョジョに腹が立ってキッと睨み付けた。半分くらい八つ当たりだが。
「僕の身体を取ったんだ、それくらい長く付き合ってあげてくれ」
「貴様、時々紳士らしからぬ発言をするがもう少し性格を見直した方がいいぞ…」
「そっくりお返しするよ」
お互いにくすくす笑い合うだなんて。なんともまあヘドがでる。
「ま、キミも元気そうだし。僕はそろそろおい苫するよ」
「おい待てジョジョ___」
「キミの事は、いつまでも好きだ。兄弟として、家族として、敵として……僕はいつでも傍にいる。どうか忘れないで、人を愛する事を」
「ジョジョ…!」
「承太郎と、いつまでも命尽きるまで…キミが幸せであります様に」
ジョジョが、消えていく。
薄れて、消えて、承太郎が戻ってくる。私が愛するのは、この男だ。
(引きずってなどいないさ)
(没理由)
オチがつかずに話のネタもネタでまとまらなかった。