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□チョコフォンデュ
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「ちねーん、今日飯行かね?」
JUMP全員での仕事が終わり、宏太が僕に声をかけてきた。
僕は今日もモテモテだなー全く。
いつもなら迷わずついていくけど今日は行けないんだ。
だって、
「ごめん、今日涼介と食べに行く約束してるの。」
宏太はそれを聞くと、優しく笑った。
「まーた山田かよ。先越されちゃったか。楽しんでこいよ。」
僕の背中をポンと叩いて他のメンバーのところへ行ってしまった。
ほんと宏太って優しいんだから。
「ちいちゃーん。」
メイク室で支度をしていた涼介が戻ってきた。
その呼び方やめろって言ってるのに。
「遅いわ。」
涼介にそう言ってやると、軽く睨んできた。
「いいねえお前は。なんもしなくても可愛いんだからさー。」
なんだその嫌味ったらしい言い方は。
「僕が可愛いなんて言われなくてもみんな知ってるから。」
そんなのうそだよ。
僕の中では涼介が一番可愛くて、一番かっこよくて。
自分のこと全然わかってない。
「はいはい、早く行くぞ。」
涼介は僕の肩に腕を回した。
突然の出来事にドキッとした。
ねえ、涼介、わかってよ。
いつも平然にしてるだけでね、僕はこんだけでドキドキしちゃうの。
そう心の中で涼介に問いかけながら、歩き出した。