青い満月を黒猫は今宵も歩く

□1.
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雪が降る夜………


トットット…

『にゃあ…』



男1「お、あんなところに猫がいる。」


男2「止めておけ。黒猫は不幸を呼ぶんだぞ。」


男1「んぁ?あぁ。行こうか。」


そう言って男二人はその場を立ち去った。

『……』

スタッ_


そう、私は不幸を呼ぶ黒猫…
だから、人に好かれようが別に感じない。好んでもらおうとしたことも無いのだ。



チリン_

気紛れに其処に現れては去っていく。

私はそうして色んな場所を巡ってきた。



人というものは他人の言ったことをすぐに信じる。

弱いところは誰にでもあるが……



チリン_

『それ以外無いものか…』


人には自分の人の姿を見られてほしくない。

猫の方が自分にとってもいい。
都合が良いのだ。



トットット_

『さて…今宵は何処に行こうか。』


たまには街という所に行ってみようか。


久々過ぎてばててしまいそう…(笑)

まぁ、楽しいことなど無いけどな。



野良は何にも縛られず気紛れに生きていける。

主人などいない…
何故首輪をつけているか?



ネックレス…とでも言っておこうか。


『ふにゃあ…』




サァァァ…

月は何時も変わらんな。


『……綺麗だ。』




青い三日月が暗い空を照らしていた。

其だけが唯一の優しい光みたいな物…。



独り占めにしても…悪くないくらいに………


トッ…

ん?

あれは、人間の…子か?
いや、少し痩せてはいるが…成人…か。


捨てられたのか…はたまた家出なのか。


気紛れだ話し掛けてみよう。


私は所々に雪が積もったままのその銀髪に薄く青い着物一枚着た成人の男性に声をかけた。


『にゃあ』


「あ?野良猫か、お前も一人か?」


『…にゃあ』

銀髪の男は私の喉を撫でた。


『ゴロロ♪』


「ふっ、気持ちいか。」


……話してみるか


『君は独りかい?』


「俺は独りだ…。一緒だな。」


ん…?幻聴だと思っているのか?

そんな事を考えていると
先に銀髪の男から口が開いた。

「鬼の子だ。」


私も似たようなものだ。


『名は…なんと言う?』


「俺は坂田銀時だ。」


『私の名は如月華扇。』


銀時「華扇…か。」


『銀時…不気味だと思わないの?』


銀時「あ?んなの俺と華扇は変わんねーんだろ?」


『ふっ…そうだな。』


銀時「なぁ、華扇は黒猫の姿のままなのか?」


『…そうだよ。』


ごめん…之だけは教えたくないんだ。
そうしてくれればさ、只の野良猫として見てくれんだろ?




ザッ…


『行くよ…』


銀時「もう行っちまうのか?」


『ああ、もうすぐ人が来る。この事は他の人間には秘密にしてくれ。忘れてもらっても構わないよ。』


銀時「…分かった。おれら二人の秘密な。」


『有難う。』


銀時「また、逢えるか?」


『銀時なら見つけれるさ…。じゃあね………』









『そして…ばいばい。』




見つけれるかは銀時次第…かな。


楽しみにしてるよ。
黒猫の気紛れな行動で出逢える日を…。





_チリン


___チリン
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