青い満月を黒猫は今宵も歩く

□2.
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サァァ__

あれから2年の月日が流れた………


『にゃあ…』


いやー、時は流れるのが早くて困る。
河原で寝ていた私は眼を覚ました。


『んーっ!』

ふぅ…

まだ眠たい眼を擦り日の光を全身に浴び、そして私は上に背伸びをした。



ん?

あの子は……


『ふっ…』


あの後直ぐに逢えたんだ。
良かったじゃないか。

其処には一昨日のはぐれていた子が母と手を繋いで歩いていた。


『にゃあ…』

あの、銀時…は元気にしているのか?
久々に戻ってみようかな……。


スタッ_

行ったところで忘れられていても寂しくはない。





気紛れに何にも縛られず生きていけるのなら私は其れでいい。





タッタッタッ_

「カァカァ…」

烏が夕方を告げまた何処かへと羽を広げ飛び立った。


夕方─

『……』

すっかり日も暮れてきちゃったよ。

さて、今晩は何処で寝よっかな…?


丁度良い高さの木を見つけ私は其処に飛び乗った。


『おー、中々綺麗な場所。』

其処からは多数の星が鏤められていてとても綺麗な夜景だった。


之で後酒でも飲める相手がいればな…

『…なんて、猫が酒は飲めないか。』


人間になればどーってこと無いが、生憎この姿を好んでいてね。
簡単に戻りたくないのだ。


チリン_

ヒュッヒュッ!


『うーん?こうじゃないんだよな…。』

_バタンッ!

木が真っ二つに切れて倒れた。


爪は其処までぼろぼろになってはない。
だけど自分の良い感じに切れないからしっくり来ない。




『……』


ザッ─

ザザッザ─


『ぃやっ!止めて!!』

グチャッ…!グチャッ……


『…っぁぁ、ああああ!』


「御免。華扇…。」


『いや…っ___様ぁぁぁ!!』

ズシャアッ_

その時私の中で何かが切れる音がした。


『…っぅ…うわぁぁああ!!』




暗い闇の中に
血の雨が降る中を一人の少女は愛刀を持ちながら歩いていた。

その少女は黒い小さな動物に姿を変え水色と薄い黄色のオッドアイの眼で表情を何一つ変えず歩いていった。


チリン_

『にゃあ…』




さぁ、私から大切な人を奪った命知らずを壊しに行こうか。


チリン…チリン__


この手で…ね?
そしたら喜んでくれますか?


___様。




_

__


『にゃあ』

タッタッタッ_
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