青い満月を黒猫は今宵も歩く
□3.
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ヒュゥゥ_
『雪降らないかな…?』
私はまだ肌寒い外で快晴の空を眺めていた。
季節は秋。まぁ、そこら辺にはえている木とか見れば分かる。
『手編みでマフラーでも作るか。』
黒猫の姿では流石にやらないよ?
…だって、そんな事をしている猫を想像してごらんよ。
凄いかもしれないけど…引かない?
何より注目されるのは避けたい。
うーん…。迷った挙げ句出した答えは__
『ふわぁ〜』
人気の無い森に入り運の良いことに山小屋まで用意されていた。
…で、その中で今眠気と戦いながらマフラーを作っている。
ウトウト…(+.+)(-.-)(_ _)..zzZZ
『……!』
い、いけない!いけない!
ついつい眠ってしまうところだっだ。
眠たい眼を擦り手を動かした。
カチャッ…カチャッ……
─
──
おー。我ながら良いのでは?
コーン色の綿の良いものを使って作り出したお手製のマフラー。
『…暖か〜♪』
尻尾の振り振りが止まらないくらい自分にとっては絶賛だった。
これ、もしかしたら布団としても扱えそう……
ポフッ_
『にゃあ♪』
おー、丁度良いくらいの暖かさだわ。
秋や肌寒い日には持ってこいな物だね。
早速使って寝よっ。
──
─
グッ…ガッ!
鈍い音に何度も掻いたことのある鉄の臭い。
……お先真っ暗だ。
『此処は何処。』
取り敢えず脚を動かし闇雲に歩いていった。
トプンッ_
すると、黒い人影が見えた。
─やあ、華扇…いや、もう一人の自分…と言った方が良いかな?
『貴方は誰。』
─僕かい?そうだね…君の闇…とでも言っておこう。
『闇…?』
─そう、闇だよ。ま、正確に言ってしまえば……君の負や怒り、哀しみと言ったものの感情の一部となった塊の事だ。
『つまり…君は私の裏の人格って訳か。』
─話を分かってくれると僕も話す口が減って助かる。
『今になってどうした。』
─そんなの云わなくても分かんだろ?
『……暴走、か。』
─ああ、そうだよ。君の大好きな暴走さ…其れが近いうちに起こるから。楽しみにしてなよ。(ニッ
『…楽しみでもねーよ。早く寝かせろ。黒猫の睡眠は貴重なんだよ。』
─おー、怖い怖い。……でも、何時までそんな風に居られるかな?
トプンッ_
─楽しみ楽しみ♪またなっ。
そう言って裏の人格は消えていった。
『…ったく、睡眠の邪魔すんな。』
私は眼を閉じ再び心地い眠りにいった。
めんどくせぇ……
──
─