紅い満月に悪魔が牙をむく

□第2話
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それは真夜中の事──



??「「「ひいぃぃ!」」」



ザシュッ



??「「あぁぁ!!」」



ガリッ


イア「ぷはぁ……やっぱりあんまり美味しくない。」



…ポタッポタッ


──時はだいぶ遡る



私は元々この街には住んでいなくって何処かに居たのは覚えてるのにそこから先が思い出せない……


檻の中に入れられていて……
何処からか鉄のにおいがして……


??「ただ分かってるのは自分が吸血鬼であること。
少し変わった力…能力というものを使えること。」


後もう一つは─
もう何年も居る…そんな気がする事……


記憶がそんなないため思い出せない。


……自分の名前は…まぁ、仮でつけておけばいいかな。



どうやってここに来たのかは……



イア「あー…それすらも分からないとか…。」



でも、大体の予想ぐらいつく。
この羽で飛んできたんだと思う。


イア「とりあえず喉が乾いたから血を貰いたいな…。」


でも…人間の血って美味しいの?
っていっても流石に普通に言って「はい。どうぞ」ってしてはくれないし……。


ん?何だろ…。こんな夜中に人って起きてるの?



私は近くの木の枝に立つ。


イア「あれは?……?!」


その時パキッと音がして下に落ちてしまった。



??「何だてめー」


??「まさか俺達の話こっそり聞いてたな?」


イア「えっと…その…。」


??「こいつを殺せ!」


イア「殺せ?はっ。丁度良かった。私…血が欲しかったの。だから、あんたらを殺して血を貰うね?」


??「なんだと?あ?調子に呑んじゃねーぞ?てめーら!殺っちまえ!」


ザシュッ!ザシュッ!



はぁー…。馬鹿でしょ。勝てっこないのに数人で来て。
ま、いいや。いただきまーす!




………そして今に至る。


イア「あんまりだったなー。ま、飲まないよりましかな。」



何処に行こうかな。
なるべく早く移動しないと日が出てきたらどうしようもないし……。


─バサッ…バサッ…


イア「あ、良い空き家が!……ここなら山奥だから誰にも気づかれないと思うし。
ここで休もっかな。」


ふぃ〜。疲れた。


イア「満月だ…。綺麗……」





私は少しして羽を隠して壁に体を預けて静かに眠りについた……。










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