紅い満月に悪魔が牙をむく
□第0話
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─コツ…コツ…
…ジャラ
レミリア「……」
ああ、人の血の匂いがする。
飲みたい…飲みたい……
─ギィィ
??「次俺にもやらせろよ!」
獲物がちょうど来てくれた…。
レミリア「ふふ…吸血鬼の鳥籠にようこそ。(ニッ」
ブシャャァァァ──
??「「「ああぁあぁぁ!!」」」
バタッ…ドカッ……
レミリア「美味しくない……つまらない…。
ねぇ、私を楽しませてよ。」
──私を捕まえて実験して
ずっと閉じ込めてるんだから……
其なりの楽しいことを私にもさせて?──
イア「どうせ殺るのならもっと強い奴と殺りたい。」
ここは詰まらない…
鳥籠は狭い…
ただ退屈な時間を過ごしてるだけ…。
もう、私を楽しませてくれそうなおもちゃはない。
別のところに行きたい…。
ギィィ─
神威「やあ、君かい?凄く強いって。」
レミリア「強い…か。そういう貴方は?」
神威「ん?俺は強いさ。」
レミリア「……ちゃんと楽しませてくれる?
もう、詰まらないおもちゃは壊しちゃった。」
神威「へー。なら、君がそうなんだね。」
「おいおい、団長。早くしねぇと上からまた愚痴が来るぞ?」
神威「いいだろ?そんな事は。」
レミリア「……」
神威「俺は好物は最後にとっておくタイプなんだ。」
レミリア「なら、私が強かったら最後にとって食べる?」
神威「そうだね。その前に殺らない?
退屈してたんでしょ?(ニッ」
レミリア「…殺りたい。楽しませてよ?」
─ドオォォォン!!
レミリア「……紅槍『香月闇槍』」
─ザシュ!
ポタ…ポタ
神威「強いことは確かだ。うん。こんなところにいるのは勿体無いくらいだよ。」
レミリア「そうね。」
神威「ここから出させてあげるよ。」
レミリア「……。」
神威「ね。(ニッ」
レミリア「嘘の目…ではなく、その目は本当みたいね。」
神威「だから、言ってるだろ?それで、出るの出ない?」
レミリア「…出る。」
神威「分かった。阿伏兎後片付けとか、宜しくネー。」
「あ、おい!団長!」
……スタスタ
レミリア「…部下置いてきて良かったの?」
神威「いいの。ここには強い奴は君しか居ないし。一人でも大丈夫っしょ!」
レミリア「そう…。」
神威「君って天人…では、無いな。」
レミリア「…私は吸血鬼。貴方は?」
神威「ん?俺は夜兎。」
レミリア「夜兎…?」
神威「宇宙最強戦闘種族、それが夜兎族。」
レミリア「私は、レミリア。貴方の名前は?」
レミリア「俺は神威。」
神威「神威さん…宜しく。」
レミリア「こちらこそ。」
ジャラ…ジャラ…
神威「その足の奴外せないのかい?」
レミリア「…外せないのではなく、無理に外そうとしたら電流が走るんです。」
神威「へぇー。鍵穴があるってことは…。」
レミリア「そ、誰かがこの鍵を持ってる。」
神威「なら、鍵を取りに行く?歩きづらいでしょ。」
レミリア「はい。」
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