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□見てほしい。
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ランドセルを机に乗せると、なんとなく辺りを見渡した。




後ろのさくらが、とてつもなく嬉しそうなオーラを放っている。




何故か理由が気になった俺は、さくらのもとに走っていく。




「さくら」



「ん〜?」




ハッとしたかのような表情を浮かべたさくらは、「ちょっと聞いとくれよ」と近所のおばちゃんのようなノリで言った。




俺は話の内容に興味津々だった。




最初の言葉を聞くまでは。





「それがねー、




アンドレアから手紙の返事が来たんだー!」




アンドレア。



一時期さくらの家にいた、イタリアからの留学生だったよな。



ぽえーんとしていたかと思ったら、この反応。





思えば、時期が留学生たちが帰った時と重なる。



「『また日本に来マス』って書いてあったんだー!楽しみだよねー!?」



「別に?家にそういうの来てねえし」




「何さその言い方!もう少しアンドレアの態度を見習った方がいいよ!」



アンドレア、アンドレア、またアンドレア。




お前の口からはそれしか出てこないのか。




何だか胸がムカムカしてきた。モヤモヤして、ジリジリして、無理にでもさくらの顔をこちらに向けたいという謎の衝動が沸いてきて。




酷い感情だ。さくらはただのクラスメイトなのに。




俺はコイツの友達ですらないのに。




アンドレアなんて言葉を聞きたくなくて、



俺だけを見ててほしくって。





こっちにだけ笑顔を向けてればいいのにって思っちまってさ。




まだ大人への道のりは長いのに、こんなぐにゃぐにゃした感情を抱いてる自分が、優柔不断なように思えて嫌になる。




そんな中、一つだけ分かることがあった。




醜いと思われてもいい。俺以外は見ないでくれよ。




そう思っている自分がいることだけは分かったんだ。

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