[ブ]For you

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ナマエSide


「集中力足りねぇぞ!ナマエ――」
『!?…わっ、あぶない!グラディオ!』


友達と解散してから、城の稽古場でグラディオと鍛錬をしていた。ボーっとノクティス様のことを考えながら練習しているとグラディオに隙を衝かれて今に至る。


「今のじゃお前死んだな」
『ボク、死なないから。』
「ドヤ顔で言うなよ…。その間にノクトがやられるな」
『そこはグラディオが何とかガードして!』
「ナマエ?お前の役割ちゃんとわかってるか?」
『わかってるよ?ノクティス様を命に代えても護る。死なないけど』
「ノクトが死んだらお前も死ぬだろうよ」
『・・・。あ、そうか!』
「バカだな〜お前って…抜けてるって言うかなんていうか…」


グラディオは、はぁ〜と溜息を吐きながらボクに呆れた眼差しを向ける。


『バカって言うな!…まぁ今日はノクティス様を数年ぶりに見たから…つい集中力が切れただけだし――』
「ほう…、大人になったノクトに惚れたか?」
『ち、違う!格好良くなってたなぁ…って』
「惚れてるじゃねぇかよ!ハハハ!」
『笑うな!!このッ!!!』







***

『鍛錬終わり!』
「おう!…にしても、集中力足りねぇわりにはやっぱ強いわ」
『グラディオに褒められるとはね。――まぁみんなより強くないとノクティス様を護れないから』
「そうだな。もう、なんならノクトと再会してもいいんじゃねぇか?」


汗を拭きながらグラディオはドリンクを一気飲みするとボクに差し出した。


『いや、まだ会えない』


受け取ったドリンクをボクも一気飲みすると一点を見つめた。


「お堅いねぇ…。」
『・・・。力は付いたかもしれない、けど』
「ん?」
『!?…。いや、なんでもない!んじゃ、帰るね!』
「おお…?――(他にも理由があるって顔だな)」


ドリンクをグラディオに押し付ける様に返すとボクは稽古場を出て行った。











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