[ブ]For you
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プロンプトSide
「ノクト〜?」
「嫌だ」
「ねぇ〜まだ何も言ってない!!」
放課後いつもの様にノクトの席に向かって名前を呼ぶ、ここ最近のオレの行動に察しがつくようになったのか…いや、ほぼ毎日だから即答で嫌だと言われる始末。
「行くならひとりで行けって言ってるだろう」
「なんで、そんなに嫌がるの?好きなの?ね?」
「な、なわけねぇだろ!なんでそうなるんだよ」
「だって、恋した時の男の行動に似てるじゃん?好きな相手に対して反抗しちゃう的な?」
「違う。」
ムスッと頬杖を突いてそっぽを向いたノクトの目はどこか寂しげだった。
仕方ないとオレは一人であの人の教室に向かう。
***
「ギメイ!帰ろっ!」
『うん!』
丁度帰るところで教室から彼女は廊下に出てきた。
出待ちのように待っていたオレは緊張で体が固まってしまって隠れようにも動けない。たまに目が合うくらいだったけど、流石に毎日来てたらわかるよなぁ…やばい来る!!!
『・・・・。』
「・・・・。」
がっちり目が合ってしまった。そのままオレの横を通り過ぎる彼女の背を見送りながらやっと緊張から解放されて体が自由に動こうとした時―――
『あっ!…』
「どうした?」
『ごめん、先帰ってて!!!』
「わかった!バイバーイ」
え?え???まって、こっち来るんですけど???またオレの体は固まってしまった。
オレの方に寄って来るとニコッと彼女は微笑んだ。あ、かわいい・・・
『やっぱりそうだ!!プロンプトくんだよね!!』
「あ、あ、はい!・・・」
『ボクのコト覚えてる?!ギメイ!」
「覚えて、ます…。」
緊張して声が震えてる!!!
ギメイさんオレのこと覚えててくれてたんだ。
小学生の頃にノクトと友達になる為にダイエットを始めた。
河川沿いをジョギングしていた、雨の日も毎日毎日。
そんな時に偶然通りかかったギメイさんと初めて出会って少し話したくらいだったのに…
ダイエットに成功した今のオレと太ってた頃のオレを照らし合わせて思い出してくれたんだろうか…嬉しすぎる!!
『良かった!――ダイエット成功したんだ!かっこよくなってるじゃん』
「あ、ありがとうございます…」
『あの頃、頑張って走ってたもんね…懐かしい』
懐かしむ様にうんうんと頷くギメイさんは初めて会った時と変わっていなかった。
「あ、あの!…ギメイさんに返そうと思ってたものがあって――」
オレはギメイさんから借りていたモノをポケットから取り出す。
『ん?――ハンカチ…ああ!プロンプトくんが豪快に転んだ時の!!アハハッ』
「そこは覚えてなくていいです・・・」
『ごめんごめん!つい。ありがとう!わざわざごめんね』
「その節はありがとうございました。」
雨の日に反対方向から歩いてくるギメイさんに夢中で足を滑らせて豪快に転んだ時、ギメイさんが助けてくれたのだ。
『いえいえ、なんならそれあげるよ!』
「え?」
『あ!いらないならいいけど、ちょうど黒色だし使えるかな?って思っt「もらいます!!」―うん、使ってくれると嬉しいよ』
「へへ」
ひとつひとつの表情が本当に素直にかわいくて、話せてホント良かった。
今日一日ありがとう!神様ありがとう!
ノクトがいたら茶化されてたんだろうな〜
帰って来ないオレを探しに来ていたノクトは陰でオレがギメイさんと話している所を見ていたコトに気づくことはなかった。
「・・・・・。」
04
To Be Continued...