[ブ]For you

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ナマエSide


今日はノクティス様がボクと同じ高校に入学してくる日。
何か行事がある事にボクの死んだ場所に花を添えに来てくれる。
ボクを忘れていないコトに嬉しいような、悲しいような…

そして、添えに来てくれたキレイな花に微笑んだ。


『…来てくれたんですね――ノクティス様』


いつも同じ真っ赤に染めた花は、
ボクの瞳の色をイメージしてくれているのかな?
でも、今のボクの瞳はノクティス様と同じ瞳の色をしている。


ボクはノクティス様を護るための契約を、
死んだ兄の代わりに交わした。
でも、ボクにはまだ、あなたを護る為の力が備わっていない…
強くなった時にノクティス様と再会したい。
だから、もう少し待っていてください。


あの時の様なあなたの辛い顔は見たくないから――。



―――――――――
――――
――


―放課後


「あ!あれノクティス王子じゃない?!…イケメン!てかこっち見てるよ!」
『!?―――』


”ノクティス王子”と言う言葉に反応して振り返る。
あの頃の可愛らしい面影はどこに行ったのか…
キリッとした凛々しい顔立ちに驚きながらもノクティス様と目が合うと一瞬で目を逸らされ、その場から出て行ってしまった。


『――――。』


ズキッと胸が少し痛む。
辛い顔させたくなかったのに…一瞬だけ見せた辛そうな顔に苦笑いするしかない。


「感じ悪くない?王子・・・」
『…そ、そうかな?…馴れ馴れしくても困るけど?』
「ま、…お堅い感じの方がシックリくるか!――でも、何しに来たんだろうね〜?」
『さぁ…。』


ボクの今の姿は、ノクティス様には分からないはず。
実は女なんて知ったら驚くだろうな…。


「そろそろ帰ろっか!」
『うん、今日ボク…「ボク?…私でしょう?」そうだった…私、用事あるから』
「了解!――ギメイ?染みついてるからとかなんとか言ってるけど、そろそろ”ボク”直さないと就職に響くよ?」
『それ、就職関係ある?…それにボk…私、就職先もう決まってるし』
「初耳なんですけど!どこよ!」
『秘密〜』


なんて言いながら教室を出て行った―――。




ノクティス様、格好良かったな…。
隣にいた男の子もどっかで会った気がする――。








02
To Be Continued...
主人公の容赦ですが、髪型→ロング、前髪ぱっつん(契約紋章を隠すため)
幼少期→短髪。
一人称は「ボク」です。
男としてノクティスと接していたため、「ボク」が染みついてます。
やっと「私」って言える状態になった感じです(笑)
2017.02.09


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