[ブ]For you

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「ホタル、キレイだったな…カゴ持ってくればよかった――」
「お話しされるのが何よりのお土産ですよ。ノクティス様」
「・・・・」
「陛下も来られると良かったのですが…」
「いいよ別に――」


車で帰宅途中、乳母とそう話していると前を走っていた警護の車が爆発した。
隅に寄せて勢いよく停車しその様子を伺うと何かが蠢いている。
現れた怪物は目的と違ったのかノクティスが乗っている車に向かって来た。


「シガイ!?…」


すると、一台の車がノクティスの乗った車の目の前に停車するとドアが開き1人の子供が走って来た。爆発の明かりで解るその人物にノクティスは目を見開く。


「!?――ナマエ」

「なぜシガイがココに!?障壁が破られたのか?!」
「ノクティス様を護r―――」


言い終える間もなくシガイはノクティスの乗った車を破壊する、ナマエはノクティスの側のドアを開くと乳母と逃げるよう促す。


「ナマエ!?どうしてココに!」
『後で話します!早くここから逃げましょう!』
「行きましょうノクティス様!」


車にノクティスがいないコトに気づいたシガイは走って逃げる3人を見つけると向かって来た。襲い掛かると同時にナマエは後ろからノクティスを護る様に庇った。
攻撃と共に勢いよく3人は倒れ、乳母も攻撃を受けて血を流している。


「!?…ナマエ…??」
『ノク…ティ…ス…さま…無事で…よかった――』
「なんで…ボクを…」
『これが…ボクの…使命ですから…。で、も…―――』
「!?…ナマエ?…ねぇ…誰かッ!!――」
『――――』
「死なないでよ!!…ナマエッ!!」


いくら声をかけてもナマエからの返事は返って来なかった。
ノクティスは隣に気配を感じて見上げると、
ナマエの父、ティグリスがナマエを見下ろしていた。



「ティグリス…!?――ナマエが!!」
「ノクティス王子、ご無事で――」
「ねぇ!早くナマエを治療して!!」
「…残念ながら…――手遅れです」
「ウソ…嫌だッ…嫌だぁあああ!!!」


ティグリスは他の護衛を呼び、ノクティスは護衛に抱えられ悲痛の叫びと共にナマエから遠ざけられた―――。









ココまでがノクティスが知る記憶である――。








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