たんぺん
□大切だから
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とあるビルの屋上。ヨコハマ全体を見渡すことが出来る。此処から見える景色は平和そのものなのだが、似つかわしくない物騒な人が2人。
『龍之介は怪我とかしないかな?』
「そりゃあなぁ…慣れてるからな、あいつは。」
『私達も殺しに関しては人のこと言えないよ中也。』
「つか何でこのビルなんだよ!此処オープニングでクソ太宰が飛び降りてた処じゃねぇか!」
「オイ横浜に住んでる人全員と制作者様に謝れ」
私達はマフィア。今回の作戦は「龍之介がバスの運転手になって乗客と周りの一般人を殺す」という小規模テロ的なものなんだけれど…。
「ゴホッ…このバスは○○駅行きです…」
何故僕がバスの運転手……首領直々に頼まれた作戦は、バスをこの先にある大型ショッピングセンターの地下駐車場に止め、乗客をバスに残して僕が去った後に爆発させるというものだ。僕は近くにいても羅生門があるから大丈夫なのだが…
……中原さんと桜香が一緒にいるのが気に入らない…!
あぁ、苛々してくる…。早く終わらせて帰りたいが、焦って怪我なんかを作って帰ると桜香が悲しむ。
しかし出来るだけ被害は大きい方がいい。
マフィアへの畏怖を民衆に知らしめさせるためだ。
此処は慎重に進めるべきか…。
「発車します、ゴホッ…お掴まり下さい…ゴホゴホッ」
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