スクイーズ篇

□囲い手
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 後ろから手が周り、私を拘束する。
 ただ囲うだけの腕は相手が反抗しないことをよく知っている。
 私は後ろにもたれ、背中から体温を感じる。夜と朝の間の時間にはこの暖かさは心地よく、眠気を誘う。彼も同じことを考えたのだろう、私を懐に入れたまま横たわり、深く息を吸う。
 囲う手を握り、眠りに落ちた。
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