スクイーズ篇 二門

□心肺停止
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 07.5
 ちよと蟬ヶ沢は数日後、以前コラボしたことがあるクレープ屋に行った。ちよはピーチコンボ、蟬ヶ沢は抹茶とラズベリーだ。
 向かい合わせに座席に座り、御互い注文したクレープを食べる。
「ねえ、ちょっと聞いてもいい?」
「なに」
「今の今更だけど、仮にも男性相手の家に泊まって平気なの?」
「…………………」
「そりゃ、私は特別誰かがいるわけじゃないし。来てくれるのは嬉しいケド」
「…………………」
「彼氏とかいたら」
「セミさん」
「なに」
「…………………また泊まってもいい?」
 少しだけ首を傾げて見る目はあまりない甘えだ。
 期待しているどころか断ることはないのは分かってはいるが、事情は考慮したいので聞いておく、と読めた。
 貴女も分かってるけども分かってない。
 適度に困った顔に様々な葛藤が生じる。
 蟬ヶ沢としても分かってはいる。
 本当に分かっているのかしら?
 スクイーズが任務に関わる宿泊とただの宿泊が増えるだけだと説得してくる。
「…………………いいわ」
「やったー!今度勉強しに行く!」
「え、……え?」
「塾もいいけど、勉強するには皆ぴりぴりしててもう落ち着かなくって」
「ええ……」
「来る代わりに炊事洗濯とかするから」
「それは助かるけど」
 これまでもやってもらってる時はあるので、意味がないようなあるような。
 泊まる頻度が増えるということか。
「どこかの幼妻じゃない………」
 その同じ心臓麻痺を起こした合成人間の気持ちはなんとなく分かる気がしてきた。
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