スクイーズ篇 二門

□どっちがいい?
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 寝ている彼のほっぺたをつつく。
 先に起きた特権だ。
 かわいさに悶えながらまたつつく。
 髪をわしゃわしゃと撫でるが起きる気配はない。
 ふざけて足を絡ませ、胸に埋もれる。
 もう少しこのままでいてもいいが、先にご飯も作りたい。 
 するりと背中に五本の棒が侵入した。腰から上へなぞられ、ちよはひゃあとうわの中間の奇声を上げて、侵入した相手を睨む。
「あんまりべったりだったから、今日は朝からなのかしら、ってね」
 侵入した手はホックに伸びて外す。ふる、と溢れる塊に手を添える。
「あんまり見れなかった寝顔が見れて嬉しかっただけ」
 にっこりと相手の胸を鷲掴みにする。触れられているおかげで彼は能力の有効範囲内に入っている。
 彼の意識も感覚も快楽を感じるところへ集中させる。
 場所を問わず、腕に軽く触れたり指先を動かしただけで彼は息を潜めて堪える。
 出来ないのはお互い分かってる。この行動はスキンシップの延長線だ。
「セミさんの欲求不満に付き合うのはまた今度」
 片方が片方を落として、感覚共有で得る。
「作ってくるから、セミさんはもうちょっと休んでて」
「ま、待ちなさい!」
 彼がすっころんで来て、盛大にのし掛かられる。昨晩も同じことをされた。この大熊め。
「…………ごめんなさい」
「セミさんが立てなくなるくらいのはしたし、……ごめん」
 彼が起き上がり、こちらも起きあがる。
「昨晩の時点である程度は作ってたのよ。だから作らなくても」
 話している途中で彼は押し倒される。
「……あの、ちよさん?」
「でかける時間までまだだし」
 にっこりと悪魔的にかわいい笑顔で誘う。
「二度寝と続き、どっちがいい?」
 今回はされるがままなのはわかりきっているのだろう。前者を選択した。
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