私は、はじかれたように走り出す


後ろを振り返ると
目の辺りを押さえた男らがふらつきながら
惣吉さんと対峙しているのがわかる

惣吉さんのもとへ引き返したい気持ちをこらえて
私は、前だけを見て走り続けた



『俺たちの仕事は、お客さんの荷物を届けること』






<飛脚小町の淡い恋>
まずは驚きました。
何がって、まさか江戸時代モノが投稿されるとは全く予想しておりませんでしたので笑
まずはそのチャレンジ精神に拍手笑
まさかクリスマスギフトにお江戸とは、予想外でしたが、お話はとても淡い恋心の入ったギフトでした。
飛脚小町と呼ばれているのは男勝りなあやめ。
でもやっぱり年頃の娘らしく、女の子らしくしたい願望を胸に秘めつつ、ひたすら荷物を背に走ります。
そしてひそかに淡い思いを抱いている惣吉と品川まで荷を運んでいる最中、あやしい男に襲われます。
そんなとき、惣吉はあやめを守り、荷物を届けさせますが、あやめは惣吉の安否が気になり急いで戻るのですが……。
あやめがいじらしく、男勝りなのにとてもかわいらしく、健気に思えるお話で、お江戸の情緒たっぷりです。
個人的に江戸の下町モノが好きなので、わくわくして読んでしまいました。
あやめの一途な姿が私には素敵なギフトに思えます。モノだけではない、飛脚小町が運んでくれるもの……、それはきっと幸せかもしれません。
受け取ったお客は、その瞬間小さな幸せ灯りを胸にともしてもらうのかもしれないと思いました。
飛脚小町、あやめからの贈り物を受け取ってください。

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