「そう言えば、このホテルのスイートを取ったのだったな……」
一つ、嘲笑する
私は、学者だ
若干二十五歳にして哲学の博士課程を修了し
それから十年近く経った今は
この国の名を冠した超一流大学で教鞭を執り
そんな超越し続ける私を周囲は
『天才』と呼び
羨望の眼差しを一身に受けてきた
しかし、周囲曰く『天才』の私は
長年とあることを理解できなかった
それは、愛情だ。
<天才の恋人は…>
とにかく天才です。
鼻につくほどのキャラクター笑
全人類を見下したような、唯我独尊男、弱冠25歳の学者は愛なんてと小ばかにしつつ、けして自分はナルシストではないと嘯きながらもある日、突然恋に落ちてしまうのです。
世界が一変してしまうほどの!
この天才、彼女のことが頭から離れないばかりか、彼女のために高級ホテルのスイートを予約。
ここで、ホテルのスタッフが彼の名前を確認します。
「佐藤様」
私は、ここでこんなに普通の、日本で一番多い苗字をもってくるところに作者様のセンスを感じ、まずは吹いてしまいました。
どんなお相手なのかもうとてもとてもとても気になって夜も眠れず、昼寝ましたって嘘ですが笑
つまり何が言いたいかというと、これはコメディーなのだと思うってことです笑
風刺のぴりっと効いたコメディー。
クリスマスに浮かれている人間の愚かさをクスリと笑うような……。
なぜか大天才が物悲しく見えてくるのはやっぱり作者様の思惑にはまっているのかなあ…笑
読後にニヤリとしてしまう、ちょっと酔っ払いそうなギフトをどうぞ。
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