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□王道賛美2
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門を抜けると校舎まで長い歩道が敷かれていた。両サイドには木々が青々としている。

「いや〜、こんなどこのBLゲーだよって高校嫌だったけど、優しい人もいるんだな。ちょっとはここでやっていけそうかも・・っ!?」

そう思っていると俺の目の前に信じられない光景が見えた。

ついさっき分かれたもう一人の転入生、鳥谷隼人が道の真ん中で同じ制服を着た生徒にキスをされていた。しかもディープなやつ。

「・・・・」

状況についていけずぽかんとする俺。

「ふぁっ・・・んくっ、ま、」

もうぐっちょぐちょですよ奥さん。
 小さな身長の王道くんをまるで覆うように抱きしめてキスをしている男。横顔を少ししか見えないけれどもこいつもイケメンのにおいがする。
オレ=モブ顔、イケメン、テキ

 午前中のさわやかな空の下で全く爽やかではない状況を見せつけられ俺はグロッキーですお母さま。

宗現実逃避をしているとパンッと乾いた音がした。

どうやら王道くんがキスしていた男の頬を叩いたらしい。

「な、なななななんだんだよ!!お前は!?いきなり、き、キスするなんて!!!」
「・・・へぇ、この俺様に平手打ちとは」
「お前が悪いんだろ!急にキスなんてするから!!!お前のことなんて嫌いだ!!」

そうキンキン声で騒ぐ王道くん。その様子を男はにやにやとみていた。
そして

「お前、面白いな。俺のものになれ」
「なっ―――っんん!?」

そして騒ぐ王道くんにまたしてもディープなキスをした。

そしてまた始まるピンクな雰囲気。

その様子を別に隠れるでもなく見てしまっていた俺は死んだ目でこう思った。

モブに人権はないのか。
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