Puppy Loving You…

□T
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「ニュート、試験どうだった?」

廊下でニュートを見つけたリジーは小走りで駆け寄った。

「聞くまでもないだろ?」

肩を竦めておどけて言ってみせる。
最悪だったよ、と付け加え苦笑した。

「今回から全科目難易度が上がってるんだって、私も成績落としちゃったし、薬草学なんて散々よ」

「リジーにも苦手な教科とかあるんだ……」

「そりゃああるよ、薬草だけで何百種類とあるのに一々覚えてられるわけないじゃない」

「それを聞いて安心したよ」

「ほんとは勉強なんてしたくないのに、でも勉強しないとついていけなくなるもの」

「君も大変だね」

ざわめく生徒の波で賑やかな廊下に静寂が流れた。
突然人並みが壁に張り付くように二つに分けられ道が作られる。
その真ん中を見事な金髪を揺らした少女が我が物顔で颯爽と通って行った。
ローブには緑色のエンブレムが付けられており一目でスリザリンだと分かる。
少女と同じ緑色のエンブレムを付けた何人かを背後に引き連れて、まるで女王様の如くあまりにも堂々と行くので自然と周囲が避けていくのだ。
ニュートとリジーもすごすごと壁際に寄って道を開けた。
その様子を横目にこっそり耳打ちする。

「シエナ・マルフォイよ、スリザリンの。今回の試験で一位になれてご満悦みたい、本当に女王様にでもなったつもりでみんなに威張り散らしてるの、はしたないわ」

「しょうがないよ、ああいう人間なんだ。でもすぐにまた君が引きずり降ろす」

「そう、あんな風にされたら腹が立つもの、今から楽しみね」

そう言って、少し意地の悪い笑みを浮かべた彼女にニュートは背筋に寒いものを感じた。

「それより聞いた?」

「何が?」

「怪物が出たって話」

ニュートはふるふると首を降った。

「学校の花壇やらを荒らしてるそうよ、大きな鷲を見たって人もいれば馬を見たって人やライオンだったって人もいるらしいけど、そんな事ってあるのかしら」

確かに、鷲と馬とライオンでは明らかに主張が食い違っている。

「見間違いじゃないのかい?」

「うん、でも実際に襲われた人もいるみたいよ」

ぐいっとニュートの袖を引っ張って小声で囁いた。

「ねえ、気にならない?」

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