Puppy Loving You…

□T
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「ニュート待って、何か分かったの?」

「分からない」

図書室をずんずん突き進むニュートの後を追う、本のびっしり詰まった棚を確認しながら、迷いなく一冊の本を抜き取った。

「それ何?」

「魔法生物の図鑑、古いやつだけど、確かこれに……」

年季の入ったページをパラパラ捲って、真ん中辺りで手を止めた。

「あった、やっぱりそうだ……怪物の正体ってきっとこれだよ」

日焼けてインクの掠れた文字を指でなぞる。

「ヒッポグリフ……?」

頭と前足が鷲で、大きな翼に馬の足を持つ不思議な生きものの挿絵も載っていた。

「花壇に残ってた蹄の跡、それからショーンが見た鷲、全部当てはまる」

「でもヒッポグリフって確か、」

「専門家の元でのみ飼育されてる、野生か、どこかから逃げてきたか……」

ふと言葉を切り、何か思案するように視線を落とした。

「ニュート、どうしたの?」

「……ショーンが襲われたのはいつ?」

「ええっと、確か3日前の夜」

「花壇が荒らされたのは?」

「昨日よ」

「……ヒッポグリフって、誇り高くてそれだけ警戒心も強い賢い生きものなんだ、なのに森を抜けてわざわざ城の方に来るかなって……人も大勢集まってるのに」

「餌を探しに来たんじゃないの?」

「餌になる鳥や虫だって森の方がいっぱいいるはずだよ」

「そう、だよね……」

リジーも考えこむように視線を彷徨わせると、小さく呟いた。

「……確かめに行くしかないわね、実際に」

ぎょっとしてリジーを見ると、文字通り悪戯を思いついた子供のようにきらきらと目を輝かせていた。

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