Puppy Loving You…

□T
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ダンブルドアの配慮により幸い厳しい処罰もなく、罰則として寮の減点と荒れた花壇の整備が言い渡された。

寮の減点は正直痛いが、点数が減ったからといって朝食のかぼちゃジュースが水道水になるわけでもあるまい。

植え替え用の花の鉢を抱えて歩くと、足を踏み出す度に花が揺れて甘い匂いが鼻をくすぐる。
廊下から中庭の方に目をやると花壇の前でニュートが小さなハサミを手に草花をせんていしていた。
彼はどうやら植物の扱いも心得ているらしい。
繊細な工芸品を作る職人のような真剣な表情を浮かべ、腕まくりして、こんな時期に寒くないのかと思う。
しばらくすると立ち上がって花壇を見下ろし、満足気に小さく頷いた。
その様子に思わずふっと笑みが溢れる。
一足早く春を引き連れて来たような薄紅色の小さな花が、腕の中でそよそよと風に揺れた。
鉢を抱えて小走りで駆け寄る。

「ご機嫌よう、リジー」

ベンチに腰掛けたシエナ・マルフォイが待ち構えていたように横から声を掛けた。

「お友達と庭師でも始められたの?うちの屋敷の庭もお願いしようかしら」

「何かご用?私忙しいの」

「森に入ったって本当?おまけに獣を拾ってきたとか」

リジーは何も答えず、ただ無言で睨むとシエナは余裕たっぷりに立ち上がって意地悪な笑みを浮かべた。

「お父様に手紙を出したの、なんて書いたと思う?
リジーって言うマグル生まれが問題を起こして勉強にも集中出来ないって」

「やめて!」

思わず声を張り上げる。
中庭に妙な緊張感が走った。
シエナはニュートの方に視線をやって肩をすくめて嗤った。

「あら聞こえちゃったみたいね、ごめんなさい。マグル生まれって秘密だったのに、うっかり口が滑ったわ」

奈落に突き落とされた気がした。
上では彼女たちが落ちていくわたしを見て笑っていて……
ああ、ちがう。
自分から足を滑らせて落ちたんだ。
嘘を吐き続けた罰が下ったんだ。

ニュートが今どんな顔をしてるか見たくなくて、見れなくて、持っていた鉢をシエナに押し付けてその場から逃げ出した。

後ろで、ニュートが私を呼ぶ声が聞こえた。

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