Puppy Loving You…

□U
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数日後、ホグワーツ城でちょっとした事件が起きた。
まず厨房から銀食器が無くなった、生徒たちがいつも使っているフォークやナイフ、それから特別な時にだけ使われる銀の大皿も。
一夜にして忽然と姿を消した。
厨房の空気は痛いくらいに張り詰め、屋敷しもべ妖精たちはパニックを起こしかけていた。

「ねえ、私のペンダント見なかった?」

朝、すっかり身支度を整えてきちんとタイを締めたミニーが、髪を梳いていたリジーと起きたてでまだ動きの鈍いオルガに尋ねた。

「知らないわ」

「ペンダントっていつも付けてるやつ?」

「そう、金色のロケットの付いたの、確かにここに置いてあったはずなんだけど」

頭の中で昨夜の行動を思い出しながら、なんにも無くなったベッド脇のキャビネットに手を置く。
床やシーツの裏までくまなく探したがミニーのペンダントは見つからなかった。

グリフィンドール寮に限りなく、どうやら他の生徒たちも物が無くなったりしているらしい。
今朝は学校中に妙な緊張感が漂っている、厨房から銀食器が無くなったことはリジーたちの耳にもすぐ入り、出処は不明だがホグズミードの事件の犯人はこの間逮捕された密輸団の残党で、命からがら逃げて来てとうとうホグワーツにもやって来たのだ、と誰かが言いだした事により噂が一人歩きしはじめた。

そして、朝食に行くために廊下を通った時に突然シエナ・マルフォイがリジーに突っかかってきた事により事態はいよいよ深刻化しはじめた。

「私のブローチどこやったの?」

「はあ?」

「答えなさいよ!あんたが持ってったんでしょ?!」

「知らないわよ、あなたのブローチなんて」

「腹いせのつもりか何か知らないけど、一々そんなのに付き合ってられる程暇じゃないのよ、さっさと返して!」

「もうほんとに知らないったら!」

オルガとミニーがリジーを庇い、駆けつけて来た先生がシエナを引き離した。
周りにはいつの間にか大勢の群衆が出来て騒ぎを見守っていた。

「あ、あのブローチが無いと、私きっと、お父様に殺されてしまうわ」

シエナのただならぬ様子に、リジーは不安を覚えるほかなかった。

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