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□りさねる
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Merry Christmas

〈理佐〉



大学生になって一人暮らしを始めたマンションを念入りに掃除をする。
今日はクリスマスイヴ。
同じ大学のサークルで出会ったねると付き合ってはじめてのクリスマスだ。
プレゼントも用意したし、部屋も綺麗にしたし…
あとは、一緒に料理を作って食べて…いちゃいちゃできたらなぁなんて思っていた。


“もうすぐつくよ〜”ってLINEがねるからきて、上着を羽織って駅まで迎えに行く。
はじめてのお泊りだから…なんていうか、そのキス以上のことも期待しちゃうじゃん。
なんていうかドキドキして…
一人でこんなこと考えてるってねるにしられたら嫌がられるかな…でも、優しいねるならそんな私も受け止めてくれそう。
少し待っていると、人の群れの中にねるを見つけた。
ねるは私の姿を見つけると、ふにゃって笑って小走りで近づいてきた。



「ごめん、おまたせ」

「…可愛い」

「えっ…」

「…っ、なんもない、」

「今、理佐がねるのこと可愛いって言った〜」



普段は恥ずかしくていえない言葉も、クリスマスだからって理由で言えたってことにしとこう。
ねるの冷たい手を握ってマンションまで歩く。
ねるは、“可愛いって言ってくれた〜”ってまだ喜んでて…まだニヤニヤしている。
そんなねるが可愛くてにやける頬を我慢できずにいるとマンションに着いた。
部屋に入ると、暖かくて…暖房つけっぱなしにしててよかったって思った。



「やっぱり綺麗。予想通り」

「…さっき掃除した」

「でも、普段から綺麗やろー?」

「まぁ…汚くはないけど…」



偉いねーって頭をねるに撫でられて…そのままねるを抱きしめた。
そして、ちゅって短いキスをするとはにかんでいる。



「…っ、なんか、今日の理佐…いつもと違う、」

「こんな私…やだ?」

「…っ、きゅんってする、」

「…可愛い」



ぎゅーっと抱きついてきたねるを受け止めると意外とすごい勢いだったみたいでそのままベッドに二人で倒れ込んでしまった。
私がねるを押し倒してるみたいで…緊張感が走る。



「…っ、ねる、ごめん、」

「…っ、理佐、離れんで、」



ねるのうるうるしている目をみるといろいろやばくて…慌てて退こうとすると首に回ってきたねるの腕。
距離がぐっと縮まって唇が重なった。



「…っ、ねる、好き…」

「ねるも…理佐のこと、好き…」



思ってたタイミングとは違うけど…
ねるの甘い声と、熱い体に白い肌…
全部が全部愛おしくて…
ねるのことをもっと好きになった。
ねるも同じ気持ちだといいな。


行為が終わり、二人でベッドで寝転んでいるとねるがぎゅっと抱きついてきた。



「ふふっ…ねる、甘えん坊だ」

「…理佐、かっこよかった」

「そう?…全然余裕なかったけど」

「…うん、必死やった」

「…っ、言わないでよ」

「でも…好きやなってもっと思った」

「私も…ねるのこともっと好きになった」

「…っ、やっぱり今日の理佐おかしい。
普段は可愛いとか好きとかあんまり言ってくれんもん」

「…クリスマスのせい」



そういうことにしておこう。
目の前でふにゃっと嬉しそうに笑っているねるにもう一度キスをした。



END



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