Book 2(短編)

□天然王子の1日
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〈茜〉



欅には最年長組が3人いる。
でも、3人共なにかしら問題があって…
友香はポンコツキャプテン。
まぁ、そこが可愛いんだけどね。
ぺーは…ぺー。
もう、天然すぎて怖い。
そして、羽琉。
羽琉は高身長、イケメン、おしゃれ…ルックスは少女漫画に出てくるイケメン主人公って感じ。
でも…ぺーに負けず劣らずの天然で周りをびっくりさせるような事を言ったりするし、よくわからないこともする。
みんなには天然王子って呼ばれてるんだ。


そんな羽琉の1日を追いかけてみようと思う。


**********


今日は1日オフ。
昼前に食堂に行くとみんな集まっている。
お、珍しく。ぺー1人で起きれたんだね。
そう思いながらご飯を食べていると。



理佐「あかねん、おはよ」

茜「理佐、おはよう」

理佐「羽琉は?まだ起きてないかな?」

茜「起きてないでしょ。起こさなかったら夕方まで寝てるじゃん。」

理佐「寝過ぎだからあんなに背高いんだね(笑)」

茜「また伸びてたって言ってたよ(笑)」

理佐「ご飯を食べたら起こしに行こっか」

茜「うん」



理佐と食器を片付けて、羽琉の部屋へ。
チャイムを鳴らしても出るはずもなく…なぜか羽琉が私と理佐にだけ預けている羽琉の部屋の合鍵を使い中に入る。
ベッドの上には気持ちよさそうに眠っている羽琉がいた。



理佐「ふふっ…可愛いね」

茜「理佐…にやにやしないで(笑)」



羽琉の肩を揺すってみるけど起きず…羽琉ーって耳元で大きい声を出しても全然起きない。
2人がかりで体を起こし座らせる。
すると…



『んー…、おはよ、』

茜「おはよ」

理佐「ほら、目開けて?」

『んー?…あ、理佐と茜だ』



そう言ってふにゃって笑っている。
うん…最高に可愛いし最高にイケメン。
髪の毛も寝癖でぴょんって跳ねてて…何だろう、このお世話してあげたくなっちゃう感じ。




理佐「羽琉ー、服どれにするの?」

『んー…理佐が決めて?』

理佐「えー、また?デニムがいい?」

『理佐が好きなやつがいい』

理佐「…わかった」



理佐は羽琉の服を選んでいる。
羽琉は歯磨いてくるねっていい洗面所に行った。
私は、部屋にあった洗濯物を畳んでいると、洗面所からあっ!って声が聞こえた。



茜「羽琉ー、何?大丈夫?」

『…こぼしちゃった』

理佐「ふふっ…びちょびちょじゃん。はい、先着替えて」

『ありがとう』



髪の毛を濡らした時に服も濡らしちゃったみたい。
本当に手がかかる最年長だな…(笑)
着替えて髪もセットして洗面所からでてきた羽琉はキラキラしている。



茜「…本当、イケメン」

理佐「…少女漫画からそのまま出てきたみたい」



まだ、寝起きで眠たそうなんだけど、そこがまた可愛い。
私たち2人は羽琉にお母さんって思われてそう。



『お腹すいた…ごはん残ってるかな?』

茜「さっきななこが凄い勢いで食べてたから…残ってるかな」

理佐「何か作ってあげようか?」

『やったー、理佐のパスタ食べたい。あ、茜の卵焼きも』



にこにことお願いをされたら聞いてしまう。
理佐はパスタ、私は卵焼きを作り机に並べる。
羽琉は嬉しそうにいただきますって言うとぱくぱく美味しそうに食べてくれた。



『あ、』

茜「なに?」

『ぺーちゃんとなーこちゃんと遊ぶ約束してたんだった』

茜「凄い3人だね(笑)遊ぶって何するの?」

『…部屋でぼーっとしたり、おしゃべりしたり』

理佐「ぷっ…そうだよね(笑)」



ご馳走様でしたって言うと、食器を重ねている台所へ持って行くんだけど…



茜「フォークだけ忘れてるし…(笑)」

理佐「ぷっ…(笑)」



そのまま、羽琉は私たちに爽やかな笑顔でありがとうっていうと、ぺーの部屋へ向かった。


**********


〈羽琉〉



朝から茜と理佐が起こしてくれた。
…アラームめっちゃかけてるのに何で起きれないんだろう……ま、いっか。
理佐の美味しいパスタと茜の美味しい卵焼きを食べてぺーちゃんの部屋へと向かう。
チャイムを押すとぺーちゃんが出てきてくれた。



「あ、羽琉ちゃん。どうぞ」

『ぺーちゃん、来たよ。お邪魔します』



中にはもう、なーこちゃんが居て、テレビを見て居た。
3人でぼーっとする。
この時間が大好きだったりする。
あ、そうだ。



『ねぇ、ねぇ、今度さ美味しいチーズケーキ食べに行こう。』

梨加「食べたい!!」

菜々香「…大きいサイズある?」

『…大きいサイズあるかな……
また調べておくね。』



3人でそんな話をしていると、ぺーちゃんの部屋のチャイムがなった。
ぺーちゃんがはーいって言いながらドアを開けると、そこには愛佳と織田がいて…



愛佳「あ、いた!」

織田「羽琉、ちょっと!」

『えっ、なに?』



愛佳と織田は部屋に入ってくると、羽琉借りるね〜なんて言いながら腕を引っ張って部屋を出た。
ぺーちゃんとなーこちゃんはまたね〜なんて言っている。
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